第146話 面識ゼロの陰陽術師。
夢じゃない……よね。
俺は、つい今さっき起こった、パラダイスな出来事を、念入りに念入りに思いおこしていた。俺、
酔っぱらって、寝ぼけて俺の部屋で裸で寝てる
俺は、
『今はキスまででおあずけ。高校を卒業するまで、スーちゃんは我慢できるかなー?』
我慢も何も、キスだけで頭が爆発してしまいそうだ。ついでにここには書いてはいけない所も爆発寸前だ。
このまま風呂を上がってしまうのは危険過ぎる。
俺は眼前に広がる、みずみずしい若葉が広がる絶景を見ながら大きく大きく深呼吸をした。
新鮮な空気をいっぱいすって、ほてった心と、ここには書いてはよろしくない所の鎮静化に努める。
脱衣所は、露天風呂と同じ男女共用だ。
今湯舟から出て、ふたたび
すって、はいて、すってぇはいてぇー。
俺は湯舟の中で座禅を組むと、全神経を集中し、強制的に賢者モードに移行した。
「ねー、スーちゃん」
大丈夫だ問題ない。
しっかりと、グランピング備え付けのピンク色のムームーを着こんでいる。
とっても安全だ。
「朝ごはん、フレンチトーストにしようと思うのー。
「もちろん!」
「ほんとー? 助かるー。
じゃ、わたしは下ごしらえをするから、スーちゃんは火起こしおねがいねー」
そう言って、
「りょーかいのすけ!」
俺は、
・
・
・
「なにこれ? めちゃうまだし!」
「これは、お店でだせるレベル。さすがは
フレンチトーストを食べた
良かった。焚火だと焼き加減がどうなるか心配だったんだけど、上手にできたらしい。
「ちがうよー、このフレンチトーストはー、スーちゃんと
「なんと、
驚くじいやの言葉に、コロちゃんがつづく。
「これ、お母様につくってあげたい! あ、でも……ぼくにもできるかな……」
「大丈夫! 文化祭用に考えた絶対に失敗しないレシピだから」
「そうなんですね! じゃあ、文化祭では大好評だったんじゃないですか?
ひょっとして、大行列ができてたりして」
「あ、いや……ちょっと事情があって、結局文化祭では出さなかったんだ」
「えー、残念。じゃあ、今年は出店しましょ! 保健室で! ぼく、ホールスタッフやりたいです!」
「わーそれ、ステキなアイデアだと思うのー」
コロちゃんの提案に、
そっか……確かに、無理にクラスの出し物としてやる必要はない。今年は、俺とコロちゃんで、文化祭に出店するのも悪くないかもしれない。
「んきゃ! そのときは、トッピングにマシュマロも用意してくれたまえ!
この暴力的までの甘さが絶品なのだよ!!」
そう言いながら、
なんて暴力的な食べ物なんだ。まさにカロリー爆弾だ。
これ、絶対に
(5人前はぺろりといってしまいそうだ)
……そういえば、
俺は、ふと気になって、スマホで、
やってるやってる。まだ朝6時過ぎなのに、しっかりプレイしている。
(徹夜かな?)
俺は、ギャラリーモードで、『五色の古代獣』の一匹、〝クリムゾンジョーカー〟と戦っている〝フーター〟のプレイを見た。
「な、なんじゃこりゃ」
そこには、〝フーター〟と共闘している陰陽導師がいた。
名前は〝
……誰?
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