第133話 ゼロ距離の寝言。
今は5時45分。キャンプの朝は早い。
とはいえ、
そろそろ、
コンコン。
俺は、
『…………………………』
返事がない。
コンコン。
「
『…………………………』
返事がない。
めっちゃ低血圧らしいし、加えてとんでもない夜更かしさんだ。
(まあ、漫画家として毎晩遅くまで仕事をしているってことなんだけど)
「
『…………………………』
プロアシの
「いーちーのーさん!!」
『…………………………』
うん、ダメだ。これは完全に爆睡状態だ。夢の中の住人だ。
無理もない。だって『信長のおねーさん・桶狭間編』の、ネーム作業はかなり骨が折れる仕事のはずだ。
だって、斎藤道三の娘、
「
ガチャリ。
俺は、無断で
ドアのすぐ横に、旅行カバンと今日着ていく自然派ナチュラルブランドの服が丁寧に置かれている。
そして、
さすが、しっかり者の
俺は、ベッドの横に立つと、
「
「すー……すー……」
ダメだ。
俺はベットに腰かけると、すやすやと眠っている
「
すると
「ご、ごめんなさい……たどくら……さん……もう少し……まってください……」
それにしても
なんだか申し訳ない気がするけど、俺は心を鬼にして
すると横向きになっていた眠っていた
「う……ん……」
仰向けになった
自然派ナチュラルなパジャマの上からでも、その豊かさが一目でわかる
そしてそして、低反発でなだらかな流線形なおっぱいと、その先端に鎮座する突起をくっきりはっきりと浮かび上がらせていた。
や……やばい……とんでもない背徳感だ。
って、そうじゃなくて!
俺は、今度こそ本当に心を鬼にして、
すると
「……プロ……ポ……ズ……うれしいです……」
え? ……い、
「……でも、もう少し待って……」
ピンポーン!
俺の頭がフリーズ状態になっていると、唐突にインタホンが鳴った。
俺は
そして、そのまま大急ぎで玄関まで行ってドアを開けた。
玄関には、プライベートモードの
その姿はまるで中学生……いやおませな小学生だ。
こんな格好で車を運転して大丈夫か?
そんなことを考えながら、俺は
「あの……なんですか、その車??」
俺の質問に答えたのは、車の助手席から降りてきたコロちゃんだった。
「せっかくだから、じいやにキャンピングカーを出してもらったんです」
そう言って、可愛くはにかむコロちゃんは、白のセーラー服と、キュロットスカートに、セーラー帽でカワイクおめかししている。紺のハイソックスがコロちゃんのすらりと細い足を強調している。(
キャンピングカーの中から、左ハンドルをにぎったじいやが、うやうやしくお辞儀をする。
コロちゃんの家、キャンピングカーまで持ってるんだ!
まあ、マイクロバスも持ってるんだから、さすがにもう、少々の事では驚かない。
「そういえば、
「そ、その、昨日ネームで根詰めたみたいでまだ眠ってて……」
「もー、姉妹そろってだらしないなー! ボクがたたき起こしてくるヨ!! おジャましまーす♪」
そう言って、
「いーちーのー!! おーきーロー!!」
「……プロ……ポ……ズ……うれしいです……」
そのあとも、なんだか寝言をつぶやいていたみたいだけど……その声は、インタホンにかき消されて、ちょっと何言ってるかわからなかった。
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