第122話 5分前行動では遅すぎる。
「行ってきます!」
俺は、誰にともなく出かけることを伝えると、靴をはいて大急ぎで玄関を出た。
でもって手に持ったスマホで時刻を確認する。
9時50分。うん。軽く走れば5分前にはつく。
俺は、スマホのホーム画面でバッジがついている
今日は、5月最初の土曜日だ。つまりはゴールデンウイークのまっただなかだ。そして俺は、完全に服装をミスってしまった。暑い。今日は夏日になるんじゃないかな?
俺は走りながら、厚手の上着を脱いで半そでになると、スマホが落ちないように注意しながらシャツを右手でつかんで駅前まで走った。
駅前の広場についたのは、予定より1分遅い、9時56分だった。
広場の噴水の前には、すでにもう
「遅い! 遅すぎるよ
「ごめんごめん。今日は、
「……いえ、全然大丈夫……です。ぼくが早く着きすぎただけ……ですから」
今日の
俺は、思っていることをそのまま聞いた。
「ん? コロちゃん、なんで制服姿なの?」
「そ、その……ぼく、女の子の服って持ってないから……」
「そーゆーこと。今日は、コロちゃんと一緒に、カワイイ服をいーーーーーーーーーーーーーーーっぱい買うの!」
そう言うと、
「み、
「あ、バレた? 当ててるの♪」
コロちゃんは、しどろもどろだ。そして
コロちゃんはどっからどうみても女の子にしか見えないんだけど、こう見えて、実はかなーり女の子に免疫がない。
はいてない
コロちゃんは、ニヨニヨしながら腕にからみついてくる
「お、女の子の服の売り場なんて、ぼくひとりじゃ、恥ずかしくて入れないですよ……」
「そ、だから今日は、部屋着から外出着まで、一通りそろえなきゃいけないの!
だから
か弱いアタシとコロちゃんふたりじゃ、荷物が持ちきれないもん!」
「昼飯おごってくれるって話は忘れて無いだろーな?」
「大丈夫、おねーさんに任せなさい! 今のアタシは、『ちょ、やめるでござる!』
の原稿料が入って、とってもブルジョワなのでーす!!
あ、でも、ごちそうするのは1000円までだよ! お父さんに『無駄づかいはするな!』って釘指されてるもん。りょーかいのすけ?」
「オッケー。りょーかいのすけ」
俺は、なんだかよくわかんない業界用語をオウム返しすると、
「そんじゃ、しゅっぱつしんこー!!
コロちゃんを、おもいっっっっっっっきりカワイク変身させちゃうぞー!」
「じゃ、行こうかコロちゃん」
「え……あ、はい……」
俺たちは、
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