第109話 需要はけしてゼロじゃない。
「フーちゃん、お、男の子にょ、男の子にゃ所を思いっきりニギニギしちゃったのだ……」
俺は、ゆっくうううううりと倒れていく
え? どういうこと??
こんなにかわいいのに??
ほんとう? 本当に、ほんとう??
俺の頭がショート寸前になっていると、
「ご、ごめんなさい!!」
「待って!」
俺は、
「は、放してください!」
「いいから待って、話してくれ!!」
うん。なんだか会話がこんがらがっている。
「ごめんなさい! ごめんなさい! 放してください!!」
「ダメ! 絶対に放さない!! 帰る理由を話してくれないと放さない!!」
俺は
ダメだ。絶対に放さない。話してくれるまで絶対に放すもんか!!
ここで手を放してしまうと、おそらく、たぶん、いや絶対に
そして、学校にも来てくれなくなる。保健室登校すら辞めてしまうだろう。
「とにかく話を聞かせてくれよ! お願いだ!」
俺は、すがるような思いで、叫びながら、
うん。
1年生の文化祭の時、メイド喫茶をやるのに、学園一の美少女の
と、クラスの女子に誤情報を与えられたウエイな男子どもに、ボコボコにみぞおちをなぐられて、保健室に治療に行って、
「こんな学校、二度とくるもんか!」
と、
あの時、俺は退学を決意していた。でも引き留められた。
俺は、腕にからみついた
「頼むよ、
俺は、必死に
(俺がショボいだけかも知れない)
ヤバイ! 腕がしびれてきた。も、もうダメだ。
俺が、限界に近づいた手を放そうとしたとき、
「なんだいなんだい? さっきからずいぶんと賑やかじゃないか……うわ!
1階のパーソナルジムでトレーニングにいそしんでいたパパが、ムキムキの身体からモクモクと湯気を立てながら現れた。
そしてその瞬間、猛烈なパワーで俺を引きずっていた
「え? この声は……」
「やっぱりだ! 全日本ボディビルチャンピオンの、
キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
ステキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
え? どういうこと??
ていうか、パパにも女の子……じゃないか男の娘? ……と、とにかく!
こんなカワイイファンがいるなんて。
俺は、パパにかなり失礼な感想をいだきながら、その場に立ちつくしていた。
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