第99話 はいてないけど、見える確率はゼロパーセント。ーGー
俺と
ハッソウザムライの〝フーター〟は、羽衣を巧みにあやつって、空中コンボを決めている。
ハッソウザムライの大きな特徴はふたつ。
ひとつめは、なんといっても〝羽衣〟だ。
羽衣を広げてゆっくりと空中浮遊をしたり、まるでドリルのように旋回させて、急降下する攻撃など、ジャンプ時の行動にかなり自由が効く。
あと、羽衣を目の前に広げて魔法や飛び道具を跳ね返すテクニカルなスキルもあったりする。
もうひとつは、〝あいのり〟って特殊能力で、敵や味方の上に乗ることができる能力だ。
インファイターの〝合気〟で行える『武器の上に乗る』ことも通常操作で行える。
(行えるってだけで、タイミングはめちゃくちゃ難しいけど)
そんなめちゃくちゃ難しい操作を、
ジャンプの後、羽衣ドリルで突っ込んで、そのまま斬撃を放って、ガーゴイルの頭を蹴り上げてそのまま上空にジャンプ。
今度は、ガーゴイルが空振りした槍の上に乗って、高速斬撃を放った後に、胸を蹴り飛ばすサマーソルトキックでとどめをさして、羽衣をたなびかせながら次のガーゴイルへと狙いを定める。
『すげえ、ずっと空中に浮きっぱなしだ!』
『デモムービーの動きまんまだな』
『マジでできんだな……』
『あんな変態的な動き、絶対ただの演出だと思ったよ』
『まるで無重力』
『FUTAHOのパルクールみたい』
『俺も思った!!』
『フーターも金髪ショートだしな』
『
『ちょw』
『願望丸出しw』
『それは放送できないww』
『危険すぎ!』
『安心してください、はいてませんよ!』
『ヘーイ!』
観客モードのコメント欄は、〝フーター〟の超絶変態プレイで大賑わいだ。そしてFUTAHOのCMの話題で賑わっている。
まさか、このふたりが同一人物だとは、想像できるひとは誰もいないだろう。
(あ、でも
ようやく
陰陽導師の〝ロンリー〟をあやつる俺は、剣を召喚する定番魔法の〝
そして、ウエポンコレクターの〝マーチ〟をあやつる
すると、数珠はまばゆい光を放ち、〝
三国志の
「わー、気持ちいい!」
「もう一個、武器を出してみなよ」
「うん!!」
〝マーチ〟は、ふたたび首にかけている数珠をはずすと、あざとカワイイポーズで天にかかげる。
すると、数珠はまばゆい光を放ち、〝
「それ!!」
「わー、めっちゃ楽しい!!」
『ウエポンコレクター扱いやすいよな』
『同意』
『操作も簡単で爽快感もある』
『武器を2つ同時召喚できるから、汎用性もあるし』
『初心者向けって感じ?』
『うーん初〜中級者向き? 極めると違うかもだけど』
『少なくとも明らかに境界術師よりは初心者向け』
『境界術師って、確かに初心者向けだけど、本当に何も知らない人向けっていうか』
『そう。普段この手のゲームをやらん人向き』
『境界術師は、極めるとなると課金かパズルスキルが必須』
『だな』
『ウエポンコレクターなら、タンク職から近遠アタッカーまで、
『↑エリアルハンター除く』
『バリケーターもなw』
『あのふたつは、選ばれし者のクラスだから』
『今からゼロベースで始めるならウエポンコレクターが絶対おすすめ』
『ハッソウザムライは?』
『あれはどう考えても変態職w』
『見た目も変態だけど、プレイスキルも変態クラスじゃないとあつかえない』
『使ってみたいんだけどな〜、はいてないザムライ』
『とにかく明るいサムライ』
『ヘーイ!』
『まー、俺ら凡人は攻略サイト頼みだわな』
『このプレイも録画されてんだろ。巌流島チャンネルでコジローが解説してくれるのを大人しく待とう……』
俺は、なんとなーく観客モードの書き込みを見ながら、
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