第88話 ダメージゼロのサポート。ーGー
〝
すると、青黒いヘビが現れて、ヌルヌルと電流リンクににじりよっていって、そのまま電流をすりぬけた! しかも2匹!
やった! 思惑通り!!
今は
『ん? なんでロンリーが攻撃に参加できるんだ?』
『あー、
『なるほど、セコンド的なサポートならできんのか』
観客モードの中にも、気がついた人がいるみたいだ。書き込みで考察が始まっている。
実のところ〝
だって俺は、オンラインゲームをぼっちで遊ぶ人間で、攻略動画を見てからプレイする効率厨だったから。
最初から弱点も、攻略法もわかっているボスを倒す、効率厨なボッチートだったから。そんな俺にとって、この〝
でも今は違う。俺は今、俺が見ていた攻略動画、〝巌流島チャンネル〟の作成者の
〝ロンリー〟が召喚した2匹の青黒いヘビは、ヌルヌルと2匹のマッチョに近づくと、ムッキムキの身体の上を這っていく。
そして、白魚マッチョの〝左エラ〟と、黒馬マッチョの〝右耳〟に潜り込んで、青白い光を放ち始めた。
「
「りょーかいのすけ!」
「りょーかいのすけ!」
プシュ!
ディクシ!!
「ヒヒーン!!」
〝フレイムバレット〟が黒馬マッチョの右耳にヒットすると、弱点ダメージの効果音がなる。同時に、黒馬マッチョが苦しそうにいななきをあげる。
黒馬マッチョの右耳は、真っ赤に腫れあがっていた。
「ナイス、
そこにすぐさまジャンプをした
ディクシ!!
「ヒヒーン!!」
黒馬マッチョは、弱点の右耳にしたたかダメージをうけて、たまらず片膝をついた。
「チャンス到来なのだ!!」
「あーーーーーーーーちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ……」
黒馬マッチョが、右耳を赤くパンパンにはらしているなか、俺は、
「あーーーーーーーーちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃーーーーー!!」
そしてパーカーのすそは、すこしずつ、すこしずつ、ずり上がって、
黒馬マッチョの右耳は、これ以上ないくらいパンパンにふくれあがって、俺のここには書いてはよろしくないところも、これ以上ないくらいにパンパンにふくれあがっている。
「
「最初に〝フレイムバレッド〟を結構ムダ撃ちしたから、
「そんじゃ、先に馬をぬっころしますか!」
そう言うと、
ピキピキィ!!!!
ディクシ!!!!!
……なんだろう? 嫌な予感がする。
〝コジロー〟が放った〝ケイラクヅキ〟の効果音と、弱点ダメージ音がシンクロする中、俺は、念には念を入れて、魔法ウインドウを開いて、とある魔法をスタンバイしていた。
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