第86話 ダメージゼロの電流。ーGー
「
ボクは、
え? どういうこと??
意味がわからない。サッパリ意味がわからない。
サッパリ意味がわからない俺は、思ったことをそのまま口にした。
「すみません、
「さっき、
ボクのことも笑わなかったし、
ボクは争奪レースに完全に出遅れちゃったから勝ち目はゼロなんだヨネ。しかたがないから観戦モードであきらめるヨ」
え? どういうこと??
なんで
というか、なんか色々と耳を疑うような話がきこえてきた気がするけど……俺が頭をぐるぐるさせていると、
「ふたごのマッチョを発見なのだ!!」
「コラ
「ありゃ? このマッチョ動かないのだ」
俺は、あわてて〝ロンリー〟をあやつって、〝コジロー〟と一緒に〝フーター〟を追いかけながら
そこには、身長2メートルくらいある、馬の頭と、魚の頭をしたボディービルダーみたいなムキムキマッチョな巨大な石像が、身体を横に向け、一方の手首をもう一方の腕で伸ばしながら胸板をこれでもかというくらい強調したポーズで向かい合っていた。(サイドチェストって言うポーズだった気がする)
「よっ! キレてるね!! 胸がデカい! 肩がデカい! もう、全部デカい!!」
でも、石像は、ちっとも動く気配がない。
石像は、四方が6メートルくらいで、高さ1メートルくらいの真四角の床の上に飾られてあった。
その四隅には、マッチョ石像の3倍くらいの高さの石柱が立っている。石柱は、マッチョのいる床の内側に鋭利なトゲトゲがついていて、外側はなめらかな曲線でできていた。
「もー、
そして、〝コジロー〟が、魚と馬の石像が置かれた床に足を踏み入れた途端、
カーーーーーーーーーーン!!
と、おっきな鐘の音が鳴って、
ムキムキムキムキムキムキムキムキムキィ!!
魚と馬のマッチョ石像が、石の破片を吹き飛ばしながら実体化した。
魚のマッチョは真っ白マッチョで、馬のマッチョは真っ黒マッチョだ。
ふたりのマッチョは、実体化するや否や、いきなり〝フーター〟と〝コジロー〟に襲いかかってきた。
ふたりは、マッチョの攻撃をすんでのところで回避する。
「
俺も〝ロンリー〟をダッシュさせて、素早く戦いに参戦しようとすると、
バチィ!!
〝ロンリー〟は、見えない壁? に吹き飛ばされた。
いや、壁じゃない! よく見たら四隅の石像から電流が走っている!!
四方と上面に、細かい電流が走って、〝フーター〟と〝コジロー〟そして二匹のマッチョを閉じ込めている状態だ。
俺は、再び、電流にふれてみる。
バチィ!!
やっぱりだ! 電流に吹き飛ばされて中に入れない!!
俺は、HPゲージを見た。こんな凡ミスで、ダメージを受けたらたまったもんじゃない!!
でも、俺のHPゲージはMAXのままだった。つまりこの電流ではダメージを受けない。ダメージゼロだ。
え? どういうこと??
ひょっとして、ボスの〝ツイン=ホロスコープ〟と戦えるのは、最初にこのエリアに踏みこんだ先着の2名だけってこと?
てことは、俺、完全に出遅れた??
俺は、観戦モードであきらめろってこと???
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