第84話 登録者数18万人のYouTuber。ーGー
「とんでもない! め、めちゃくちゃ、カワイイです!!」
俺は、いつものクールな武蔵さんから180度イメージチェンジをした、キュートな武蔵さんに、キュンキュンしながら言った。
「ホント? ホントに……ホント? ボクのこと笑わナイ?」
「もちろんです! プライベートの武蔵さんも、とっても素敵です!」
笑うわけがない! こんなカワイイ思わず守りたくなっちゃう美少女を笑うなんてとんでもない。
「エヘ! ありがとう!! でもプライベートの時は〝
「わかりました! よろしくお願いします。
「エヘヘ、ありがとう! よろしくネ!
そんな、
「エッヘン! フーちゃんの思った通りなのだ! スーちゃんは笑わないよ!
スーちゃんは、人を見た目で判断しない、とってもできた弟くんなのだ!」
「エヘ……そうだね……
「と、とんでもない! 全然大丈夫です」
俺はそう
だって俺は、
そんなわけで、俺は、
〝コジロー〟は、
(北斗星のかけらを14個もくだいた渾身のコーディネートだ)
『お、再開したみたいだぞ』
『コジローが加わったのか!!』
『コジローとロンリーのコンビは初めてじゃね?』
『多分』
『
『こいつはすごい!』
『女房を質に入れて見に来た甲斐があったぜ!!』
『その表現、いまはコンプラ的にアウトだろ……』
『へのツッパリはいらんですよ!!』
『言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごいコンプラ違反だ!』
観客モードの掲示板は〝コジロー〟と〝ロンリー〟の共闘ににぎわっている。
うれしい! 俺が理論派プレイヤーと認識されてるのがめちゃくちゃ嬉しい。
〝理論派ロンリー〟なんていい響きだ。
(なにせ今まで〝ぼっチート〟〝効率厨〟とか〝おっぱい大好き〟とか、ろくでもない肩書きだらけだったもの)
「
そう言うと、
『ゥゥゥゥゥーーーワチャアーーーーー!!!!』
と、奇声を上げる。挑発行為と一定時間移動速度をあげる効果のある〝怪鳥の叫び〟だ。
挑発された3匹のガーゴイルが、ワラワラと〝コジロー〟に群がっていく。
VRゴーグルをかぶった
『ガキィー!』
『ギキィー!』
『グキィー!』
3匹のガーゴイルがフォークのような槍で次々と〝コジロー〟を突き刺すと、〝コジロー〟はヒラリヒラリと紙一重で槍をかわすと、最後にジャンプしてガーゴイルのフォークの上に「ふわり」と降り立った。
先行入力の〝
そして、槍の上で開脚逆立ちをして、密集したガーゴイルたちに〝旋回蹴り〟をお見舞いする。
『ゲギャー!!』
『ゴギャー!!』
『ザギャー!!』
ガーゴイルは、〝旋回蹴り〟から放たれたかまいたちで、一網打尽のまっぷたつに引き裂かれた。
『はー、やっぱりすげーな』
『怪鳥の叫びで敵を呼び寄せて、合気で攻撃をかわしてワザと敵を密集させて、旋回蹴りでまとめて撃破!』
『インファイターは、スキルポイントの消費がはげしいからなー、無駄な動きが一切ない!』
『完全に計算ずくだよな』
『で、練乳キャンディーで、スキルポイントの回復と』
『あざとい!』
〝コジロー〟は、練乳キャンディーをパクリと食べると、舌をペロリンと出しながらウインクをして、あざとカワイくポーズを決めた。
(北斗星のかけら4個で獲得できる特殊モーションだ)
「さすが〝コジロー〟。魅せるプレイは欠かせませんね!」
「エヘヘ、アリガト!」
〝コジロー〟は、そのテクニックと確かな理論に加えて『かわいらしいプレイ』に徹底的にこだわることで有名な
そしてそのプレイ動画に、確かな攻略情報をめちゃカワボイスでお伝えする〝巌流島チャンネル〟が、登録者18万人を超える大人気のYouTuberなんだ。
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