第78話 100%本音のうちあわせ。
プルルル……プルルル。
「はいはい、あ、
りょーかい。テキトーにあしらって、製作委員会のキーマン探ってちょーだい。はい。はい。よろしくね♪」
ピッ
ママは、
「さてと、どーでもいい編集長のことは武蔵さんにおまかせして、問題はこの
モニターの前では、
「申し訳ありません。
「そんなーいいですよー」
「マネージャーさん、大丈夫ですかね。
「そこのところは、多分ー、大丈夫だと思います。ムーちゃんのガード硬さは天下一品なんでー」
「そういえば、タレント事務所を経営なさっているんですよね」
「はい、妹とー、父のマネジメントをお願いしていますー」
「妹さんって……まさか……」
「はい、FUTAHOですよー」
「やっぱり!!」
「ムーちゃんは凄腕マネージャーなんですー」
「ははは、それは編集長なんかじゃ太刀打ちできるわけないか」
「さてと、邪魔者がいなくなったところで、
「はい? なんでしょー?」
「先生はなぜ、養護教諭のお仕事にこだわっておられるのですか?
編集部の意向もありますが、私としても、
ですから知りたいのです。
そんな
「……わたしの学校に、いま保健室登校をしている生徒がいるんです。
せめて、その生徒が卒業するまでは、養護教諭をつづけたい。これが本音です」
「本当に、それだけですか?」
「はい」
「ひょっとして、その生徒は、一年前から保健室登校を始めた生徒じゃないですか?」
「え?」
「やっぱりそうか……その少年が
「は、はい! でも、どうしてそれを?」
「
「えっ!? あ、あああ愛ってそんな! で、でも確かにとっても大事な生徒なのは間違い無いです」
「なるほど、得心しました。これではもう、
なにせ、『信長のおねーさん』のヒットの源泉は、その生徒にあるんですから。
あ、ちなみに三ヶ月ほど前から
「そ、そそんな、なんにもないですってば!!」
「ああっと、失礼。我ながら無粋な質問でした。これでは編集長と同じ穴のむじなだ。本当に申し訳ない」
焦りまくっている
「それでは、本題に入りましょう。
「そうですねー。やっぱり多くても月産40かなーって思いますー。
あ、でも、カラー原稿は多めに受けることができますよー。大学の先輩が専任でアシスタントしてくれることになったのでー。先輩、わたしなんかより全然カラー原稿得意ですからー」
「なるほど、では、私共の都合をご説明します。
さきほど、
「え? そうなんですかー?」
「はい。製作委員会からあがった意見です。『信長のおねーさん』に、もう少し歴史的なエピソードを入れ込むことはできないか……と。
『信長のおねーさん』は男性人気も高いですし、そう言った要素を入れることでより多くのターゲットにリーチできないかという意見です」
「んー、おっしゃることはわかりますが、今のコメディ路線とは相性悪く無いですかー?」
「私も同意見です。ですので、増刊の方で現在の『信長のおねーさん』から二、三年後年後の話を描くのはどうかと」
「信長の正室に、
「はい。そこから、桶狭間の戦いまでに至る信長の歴史を、
「んー。楽しそうですけど……でもー、ストーリー漫画だと、一話30……40ページは欲しいかもー……」
「はい、ですから、本編を今まで通り17ページ、増刊を短期集中連載で41ページを打診したいと思ったんです……うーん、やっぱり難しいですよねぇ」
俺は思った。なにそれ? なにその面白そうな話!!
読みたい、絶対に読みたい!
特に、信長にふりまわされる、おてんば姫の
「うーん……面白そうだし隔月なら描いてみたいかもですー」
「でもー、せっかくだから、もう一本スピンオフ企画がほしいかなー……」
その提案は、ちょっと想像がつかない、とんでもないモノだった。
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