第77話 センスゼロの編集長。
「わたしは、絶対に養護教諭を辞めません!」
「はぁ。私は、ファンの代表として、雨野先生に必死のアドバイスをしているのですが……。
ファンの代表らしい、モンブランくちゃくちゃ野郎の
「申し訳ありません……」
「いやいやいや、私に頭を下げられても困る!
責任を感じるなら、ファンに感じてください!!
それに、先生との関係性をきづけなかった担当編集の責任です。なぁ……
「……申し訳ありません。雨野先生」
「や、やめてください、
『信長のおねーさん』がここまでの人気になったのも、
「……そう言っていただけると救われます」
モンブランくちゃくちゃ野郎の
「アニメ化の件は、もうたくさんの人が関わって、引き下がれないところまで話が動いている。今更止めるわけにはいかない。
みな一丸となって頑張っている中、まさか最大の味方だと思っていた
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
するとモンブランくちゃくちゃ野郎の
「じゃ、私はいそがしいのでこれで」
俺は、怒りを感じていた、はっきりと怒りを感じていた。
なんだこいつ?
なんでこんなやつがファンの代表を語って、こんなにも頑張っている
ちょっと意味がわからない。本当に意味がわからない。
モンブランくちゃくちゃ野郎の
「……
「なんです?」
「編集長は、先ほど『ファンの代表』とおっしゃいましたよね」
「ああ、それが何か?」
「では、ファンの代表であらせられる矢澤編集長にご教示いただきたいのです。『信長のおねーさん』は、なぜ、ここまでファンに支持されているのでしょう?
教えていただけますか」
「あんた、
「はい。お恥ずかしながら……」
「そんなの簡単じゃないですか! 典型的なおねショタが受けたんですよ」
は? 何言ってるの? この人、本気?
『信長のおねーさん』はおねショタとしてはかなりトリッキーだ。
だって信長はエッチなアプローチを積極的にしかけてきて、それをやえさんが華麗にあしらう展開がうけているんだもの。
「なるほど、となると一番の人気キャラは?」
「そんなの信長にきまってるじゃないですか!」
は?? 何言ってるの?? この人、本気??
『信長のおねーさん』の一番人気は、
「なるほど、勉強になります。ではこれからの展開は?」
「そんなの決まってるじゃないですか! 信長が主役の話なんですよ!! 天下統一までの話を描けばいいだけじゃないですか!」
は??? 何言ってるの??? この人、本気???
だれが読みたいんだよそんな話! やえさんの出番がなくなるだろーが!!!
「なるほど、勉強になります」
「君、ろくに『信長のおねーさん』を読んでないんじゃないのかね?」
「勉強したつもりだったのですが……編集長にはかないませんね」
「はっはっは。まあ、私はこの道20年のベテランだからね! よかったら色々おしえてあげるよ」
センスゼロの
「うれしい! 機会があれば、是非。あ! 玄関までお送りしますね!」
「お、気が効くね! せっかくだからLINEも交換する?」
「はい、喜んで!!」
・
・
・
何が、ファンの代表だ! あの
あんな人に、『信長のおねーさん』を任せたらめちゃくちゃになってしまう!
俺が心配になっていると、ママがメガネをすちゃっと構えてキラリンと光らせた。
「さすが、
え? そういうこと??
おれは、ママと
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