第74話 睡眠時間ゼロのプロフェッショナル。
今は、日曜日の朝6時。『信長のおねーさん』の原稿入稿の締切間際だ。
俺は、いつもよりちょっとだけ朝寝坊して、今は、ケトルでお湯を沸かしている。
原稿の追い込みで頑張っている、
大増40ページの『信長のおねーさん』の原稿を仕上げるために、金曜日と土曜日は、本当に総力戦って感じだった。
リモートで作業するプロアシの
高校生の
絵なんてアンパンマンくらいしか描けない俺は、完全に出る幕なんてない。できることといったら、
(お茶菓子は
俺は、お盆にケトルとティーポットとお茶請けのお菓子を乗せると、階段を降りて1階にある
コンコン
「
……返事がない。
コンコン
「
ガチャリ
返事はなかったけど、俺は、
部屋の中は静かで、ほんの少しだけ、ふたり分の寝息が聞こえてくる。
寝息が聞こえる方を見ると、ベッドで
仮眠かな?
シングルベッドに、ふたりよりそって……というより抱き合って……というより、
「むにゃ、福島名物『白土屋菓子店』のジャンボシュー……こっちは長崎の『蜂の屋』だぁ……」
普段はめちゃくちゃしっかりしている
俺は、静かにお盆を置いて、部屋を去ろうとすると、
「んきゃ、
「おはようございます」
俺は、
「おはようございます。作業の方はどうですか?」
「もう、ほとんど終わっているよ。いちのんと
残りの作業は、ワタシと
さすが、プロのアシスタントさん、自分の仕事の両分をきっちりとわきまえているプロフェッショナルだ。
俺は、ZOOMの画面を見ながら思ったことを言った。
「
「んきゃ、ふたりはお風呂。さっきまで仮眠をとってもらってたから電話して起こした。あいつらは、
昨日の夕方、
ニュースの後にやるバラエティの番組の番宣のために、
「はれじろー、お風呂上がったし!」
「……日原おじさまのために……頑張る……」
お風呂から上がったきた
すると、
そこには、フェイスタオルを首からかけて、スレンダーなおっぱいが、どうにかこうにか隠れているノーブラ
「う、うわああ!」
俺はたまらず目を背ける。
「おや?
「……わたしのおっぱい……ガン見してた……むっつりスケベ確定……」
「ちょ、やめてください!」
「んきゃーーーーーーー! 『ちょ、やめてください!』だ! たまらん!」
「令和版、『ちょ、やめるでござる』だし!」
「……ちがう
「これはたまらん、カワイイ! たまらん! たまらん!! いちのん、うらやま! うらやましすぎる!!」
え? どういうこと?? なんで俺、こんなによろこばれているの?
というか、
気になってモニターを見たいけど、見ちゃうと、
「と、とにかく、
「わかったし!」
「……ちょっと……まて……」
俺は、机にうつ伏せになって、
「準備できたし!」
「……かんぺき……」
「んきゃ! ワタシも準備オッケー!」
ん? なんで
ま、いいや。とにかく、俺は、顔を上げた。すると、
「ちょ、やめてください!!」
そこには、フェイスタオルをはずした
ZOOM画面は、6つのおっぱいでいっぱいだ。むっつりスケベの俺は、おっぱいでいっぱいいっぱいだ。
「んきゃーーーーーーーーーーーーーーーー! かわゆい!!」
「本日2回目の令和版、『ちょ、やめるでござる』アザース!!」
「……
なんなの? 本当になんなの??
このおねーさんたち、ちょっとなに言ってるかわからない!
「と、とにかく、早く原稿仕上げてください!!」
「んきゃ! 怒られちゃった! かわゆい!!」
「そんじゃ先輩、ラストスパートがんばるし!」
「……録画したから後で
まったく、心臓に悪い。
俺は、美人おねーさん三人にもてあそばれて、朝からHPが一桁になっていた。
……原稿の追い込みでハイになってる……のかな?
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