第72話 ゼロ距離なアシスタント。
俺と
「ただいまー」
「ただいまー」
「ただいまー」
会社から帰ったママと父さん、そして駅前のジムのトレーナーの仕事を終えたパパがリビングへとやってきた。
「お、今日は餃子パーティーか! 父さんも包むの手伝いたかったな」
「パパと
父さんとパパがのん気に晩御飯の感想を言っている中、ママは、ツカツカと僕と
「ごめんなさいね。
「そ、そんなことないよ」
「確かに、ちょっとびっくりしましたけど」
俺と
「
「もちろんです!」
「もちろんです!」
俺と
「
「わかったよ」
「わかりました」
俺と
俺は、なんだか緊張していた。今日、朝の6時過ぎまで起きてマンガの原稿の作業をしていたんだ。きっと、今も修羅場モードに違いない。俺と
コンコン
「はいはいー、開いてマンボー」
部屋の奥から、のんびりゆったり、いつもの癒しモードの
「入りますね」
俺は、ドアをそうっと開けた。すると、
「あはははははははー、くるしー。クーちゃん、なに? その耽美な
「うけるっしょ? 仕事の合間に、腕慣らしで描いてたし!」
「……クーちゃん……全然仕事しない……夢中になって描いてた……
「あはははははははー。耽美全開で『ちょ、やめるでござる!』は、ずるいってー」
って、作業デスクに座って大笑いしている
(
なんだか、めっちゃなごやかだ。
「
俺が
「ごめーん、わたし、ちょっと抜けてきてもいい?」
と頭を下げた。
「全然オッケー! てかもう〝いちのん〟には仕上を手伝ってもらってるだけだし。それより紹介してよ。
え? どういうこと??
「あわわー、せ、先輩、それは秘密なんですからー」
『信長のおねーさん』の主人公、〝やえ〟さんの弟で、信長の弟分の
状況がわからず俺がオタオタしていると、いつのまにか俺の横に
「
チーフとして専任でアシスタントをしてくれる
そういって、
ZOOM画面には、俺と
赤毛のお団子あたまをしているのが一乃さんの先輩の
俺は武蔵さんに言われるがまま、ZOOMに向かってあいさつをした。
「は、はじめまして。
「わーこの子かぁ」
「ヤベ、めちゃカワイイし!」
「……
な、なんだ、なんだ? ZOOM画面には、キャッキャとはしゃぐおねーさん3人と、顔を真っ赤にしてうつむいている
「さ、
「はじめまして、
「んきゃーーーー! カワユイ!」
「なんてういういしいカップル!! うらやま!」
「そうそう! そうなのー。ホントにそうなのー」
「…………きゅんきゅんする」
「た、ただの幼馴染です!!」
「た、ただの幼馴染です!!」
俺と
「んきゃーーーー! 甘酢っぱい!」
「マジか! ホントに実在するんだ! 幼馴染の友達以上、恋人未満!!」
「そうそう! そうなのそうなのー。うらやましいよねー」
「……リア充……爆発しろ……」
ZOOM画面にはキャッキャとはしゃぐ3人のおねーさんに、
うん。確か今、漫画原稿の締切前の修羅場だよね。
何? この女子会ムード。
俺は、美人おねーさんにリモートで囲まれて、ただただ愛想笑いをするしかなかった。
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