第63話 課金ゼロの境界術師。ーGー
俺と
俺たちがミッションを開始すると、観客モードには、たちどころにコメントがあふれかえる。
『さすがフーター、いきなりガンコ=ゾディアックに挑むのか』
『よく予備知識なしで挑むよな』
『ん? フーター、境界術師なの?』
『いや、ワイヤーガン装備してる。エリアルハンターだな』
『てことは、コスプレか!?』
『まじか! 北斗星のかけらを、境界術師のコスプレに使ったのかよ!』
『さらに、カラーも紫に変えてるw』
『よく〝北斗星のかけら〟を趣味アイテムにくだけるよな……』
『さすがフーター! 俺たちにはできないことを平然とやってのける!』
『そこにシビれる!』
『あこがれるゥ!』
「えっへん! 新コスは高評価なのだ!」
VRゴーグルをかぶった
ゴーグルをかぶって見えないけど、その表情はドヤってるに違いない。
今日、新ボスの〝ガンコ=ゾディアック〟の実装の他にも、〝北斗星のかけら〟で交換できるアイテムのラインナップが更新されたからだ。
〝境界術師のコスプレレシピ〟は、クラスの装備はそのまんまで、見た目だけを境界術師のコスチュームに変更できるアイテムだ。
(しかも〝北斗星のかけら〟を4個砕いて、紫色にカラーカスタムするこだわりようだ)
「
VRゴーグルをかぶっている
「えっへん! これでフーちゃんも
ミーちゃんの〝マーチ〟も、水色が似合ってさらなる
「えへへ、思い切って〝北斗星のかけら〟を使っちゃいました♪」
そしてその後ろを、俺があやつる、全身黒ずくめのロンリーが追いかける。
『ふたごコーデ結構いいな』
『完全に趣味アイテムかと思ったけど、色違いで揃えたら、意外とバエる』
『オーバーキルボーナス狙うなら重複クラスが使えないし、要望多かったのかもな』
『わかりみ』
『ロンリーも着れば、もっとバエるのに』
『わかりみ』
『ロンリーは空気が読めない子』
『しゃーない。ロンリーは効率厨だし』
『わかりみ』
コメント欄に俺に対する勝手なラベリング(でも事実)が書き込まれ続けるなか、俺たちはひたすらに砂漠を走る。
すると遠くに、雑魚モンスターが見えてきた。
「できた!」
ヒヒーン!
「できた!」
コケコッコー!
『あいかわらず、マーチのパズルテクはとんでもないな』
『だな、一切の迷いがない』
『さすが、運営泣かせの無課金術師w』
この三ヶ月の間、境界術師には割と大きな仕様変更があった。
でもその仕様変更は、境界術師の性能に関してではない。
その変更内容は、『他のプレイヤーにも境界術師がプレイしているパズルが表示される』ことだった。
運営は、『境界術師と連携をやりやすくするため』と公表していた。
でも、そのほかにも、
かわりに、運営泣かせの〝無課金術師〟ってニックネームがついて、あっという間に、
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