第62話 ゼロ距離おねーさんは、一番いいのを頼む。
「スーちゃん、学校を辞めるなんて言わないで、それだけはやめて絶対!!」
もっさもさの頭の
怒ってるんだ。
「じゃあ、俺、保健室登校をやめます。
ウソだ。本当は全然へーきじゃない。地蔵のように固まって、授業どころじゃなかった。
「本当? 本当にそうだった?
俺は、
頼む、
でも、
「全然、へーきじゃなかったです。
「ほら、やっぱり! スーちゃん、お願いだから無理しないで。強がりなんか言わないで……お願い……」
俺は、自分がなさけなかった。睡眠時間をギリギリにまで切り詰めて頑張っている
「わたし、頑張るから。スーちゃんはいままでどおり、なんの心配もなく保健室登校ができるように頑張るから。お願い。ね」
「………………」
俺は、なんにも言い返すことができなかった。なんで
俺なんかより、何十万のファンがいる『信長のおねーさん』の方が全然大事じゃないか! なんでそんな簡単なことが
俺一人が我慢すれば済む話じゃないか!! なんでそれをわかってくれないんだろう!
「………………」
「………………」
俺と
「………………」
「………………」
俺と
「イーちゃんと、スーちゃんは似たもの同士なのだ。ふたりとも、もーちょっとフーちゃんを見習うべきなのだ!」
そう言うと、
「フーちゃん、難しすぎてわかんないことは、人にまるなげするのだ!
だから今回もまるなげなのだ!
ムーちゃん、一番いいのを頼む!!」
すると、電話をかけるために部屋を出ていた武蔵さんがツカツカと入ってきて、
「……はい、はい。ありがとうございます。じゃあ、
と言って、スマホを「スッ」と
「
「え? えー??」
とまどう
「
今月は、大学の、元漫研メンバーでしのぎましょう!!
「わ、わかったー」
「
はい、はいー。あ、すみませんー。締め切りは、来週の月曜日ですー。
え? 『〝すみません〟はいらない?』
はい……はい……すみませんー……じゃない!
はい、はいー。うふふ、頼りにしますね!!」
「すみません。今の進捗はですねー。
あー、すみませんは言っちゃダメなんだったー。すみませんー」
「えっへん!! フーちゃん、いい仕事をしたのだ」
「フーちゃん、ご褒美がほしいのだ。一番いいのを頼む!」
俺は、
自称自宅警備員の、ひきこもりの
「
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