第57話 MPゼロの睡眠不足。
俺は相変わらず保健室登校をつづけている。始めたのは、一年生の二学期の中頃だから、もう一年以上が経過した。
俺が一年生の時、保健室登校のきっかけになった、文化祭の出し物のメイド喫茶は、今年も大盛況だった。
保健室登校の俺は当然不参加だ。だけど、その盛況ぶりは嫌と言うほど伝わってきた。
なぜなら、とんでもないくらいの美少女の
教室はおろか、廊下にも収まりきらずに、グラウンドまで行列は伸びていた。
この全員が、胸元とかスカートの丈とかが、ギリギリのスレスレのメイド服に身をつつんだ
俺は、
きっと、
・
・
・
うん、やめよう。虚無感にさいなまれるからやめよう。もっとポジティプな話をしよう!
そう、ポジティブな話だ!!
「はーい。テストの結果がでたよー」
俺は、保健室に一セットだけ置いてある、俺専用のスクールデスクに答案用紙をおくと、椅子に座って答案用紙を確認した。それをすかさず
「すごーい、数学と歴史、あと古典は90点超えてるー。それ以外も平均以上。すごいすごいー!」
「いやー、それほどでも?」
「あ、その言い方、お父さんに似てる、やっぱりスーちゃんはお父さん似だねー」
「ちょ! やめてください!!」
毎日会社に遊びに行っているなんて堂々と宣言している、チャランポランな人に似てるって言われても、ぶっちゃけあんまし嬉しくない。
(だってその直後に
「でもすごいねー。これなら、順位もかなり上位かもー。順位表、見に行かないの?」
「それはちょっと……やめときます」
「そっかー。うん……そうだよね……。ごめんね。余計なこと言って」
「別に、いいですよ……」
「じゃあー、今日は特別大サービスです!」
そう言うと、
椅子に座っている俺の頭は、ちょうど
「そしてハグからのー。いいこ、いいこー!」
ああ、なんたる幸運! なんたる
俺は、えも言われない幸福感を噛み締めていると、突然、俺の頭をなでている
「すー。すー」
と寝息らしきものが聞こえてきた。そして低反発素材のおっぱいが「ずしり」と重くなって、俺の顔は完全にズッポリとおっぱいにうずまった。おっぱいがいっぱいのマックスハートさまだ。
え?
俺は
やっぱりだ。完全に眠っちゃっている。
俺は、席を立つと、
なにか、隠し事をしているのかな……俺には言えないこと……。
俺は、
でも、その隠し事が、寝不足の原因が、俺の想像以上、遥か斜め上の上の理由だったなんて、この時の俺は知るよしもなかった。
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