第54話 ゼロ距離おねーさんは頭かくしてアソコかくさず。
俺が自宅に帰ると、家の前に黒塗りのワゴンが停まっていた。アルファードだ。
そしてその運転席から、小さな人影が降りるのが見えた。俺はその人物に声をかける。
「おはようございます。
「はい。年末年始特番の収録時期ですから。でも今日は入りが少し遅くて助かります」
「今日は、
「はい。現場に入ったらすぐに仕事ですし」
「じゃ、
「ありがとうございます」
顔をあげた
結構ヒールの高いパンプスを履いているからパッと見はわかんないけど、身長は多分、150センチもないと思う。
でも、グレーのスーツを着ていなければ、高校生、いや、中学生に間違われるかもしれない。
年下の俺に向かって敬語をつかってくるからなおさらだ。学校の後輩に話しかけられた気分になる。(保健室登校の俺には知り合いの後輩なんていないけど)
俺は、
「お茶をだすの、ちょっと待っててくださいね。すぐに、
「はい。おかまいなく」
俺は、階段をトントンと登って、3階に上がると、
コンコン。
「
『…………………………』
案の定、部屋の奥からは何の返事もない。無理もない。だって昨日は11時近くまで一緒に
「素材集めは、自宅警備員のフーちゃんのお仕事なのだ!
イーちゃんも、ミーちゃんも、スーちゃんも、欲しい素材があったらバンバン頼んでちょ!」
って、いつも口癖の様にいっていた
下着姿でのノースタントのアクションが話題のCMで、
コンコン!
「
『…………………………』
ゴンゴン!!
「ふーたーほーさん!!」
『…………………………』
うん、ダメだ。これは完全に爆睡状態だ。夢の中の住人だ。
無理もない。だって11月に入ってからの
「
ガチャリ。
俺は、無断で
けれども、それ以外のところが丸見えのモロ見えだ。
『下着をはいたら負け』の形の良いおっぱいも、ここには書いてはよろしくないところまで、丸見えのモロ見えだ。
「でたな……ヤドカリ……きょうこそ、ぬっころす……」
俺は、夢の中で
「むにゃ? なんだか硬いモノがあるのだ!」
と、俺の急所のカチンコチンに素早くパンチを繰り出した。
俺は攻撃を紙一重でかわす。あぶなかった。命中したらオーバーキルは確実だ。
俺はジョギングで熱った身体が一気に冷えていくのを感じながら、
そしてそのまま
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