第50話 遠い遠いゼロ距離な彼女。
俺は砂漠を歩いていた。360°見渡す限りの砂山だった。
俺は喉が渇いていた。俺はなんだか知らないけど喉が渇いていた。
そしてHPは一桁だった。このままでは死んでしまう。
俺は、ガクリとヒザをつき、息も絶え絶えにつぶやいた。
「だれか……助けてくれ! 飲み物をくれ……!!」
「……助けてあげよっか?」
聞き慣れた馴染みの声がする。みあげると、そこには、えんじ色の
「頼む!
は、はやく
「うーん……どーしよっかなー」
俺は「パン」と手を合わせると、おもいっきり頭を下げた。
「な、なあ、頼むよ! お願い、
「しょーがないなぁ。じゃあ、特別だよ♪」
そう言うと、
「い、今、準備するから、絶対開けないでよ!!」
「わかったよ……」
え? どういうこと??
「絶対開けないでよ!!」
突然、あたりは暗くなり、なんだかムーディーと言うかセクシーと言うか「あっは〜ん❤︎」なBGMが流れ始める。
え? え?? どういうこと?? どういうこと???
「できた!」
「さあ! めしあがれ!!」
ってあれ?
ていうかこのおっぱい……知ってるぞ!!
・
・
・
俺は、目を覚ました。
「……やっぱり!!」
俺は、おっぱいに挟まれていた。目の前には、おっきなおっぱいがある。きれいで思わずさわりたくなるおっぱいが、目の前に広がっている。俺の頭は、目の前のおっぱいで、もういっぱいいっぱいだ。おっぱいで、大混乱だ。
そしてこのおっぱいの持ち主は……!!
「んー、あー……もう朝か。ふわぁあああ」
「い、いいいいい、
「あれー。また部屋を間違えちゃったみたい。ごめんねー」
ベットの上には、
一糸まとわぬ姿の
ガチャリ。
突然、背中の向こうでドアが開く音が聞こえた。そして、
「
バダン!!!!!!!!!!!
ふりむくと、
こんなに慌てている
「ゴメンなさい! スーちゃん!!
「わたし、絶対絶対!
バタン!
ドアを閉じて
「……………………」
俺はせつなかった。とてつもなく、やるせなかった。
だって……
そして
ただの弟としてしか……見てくれていないんだもの。
ゼロ距離な彼女。
第一章 ゼロ距離な家族。
− 了 −
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