第48話 気付く気配は永遠のゼロ。
ひょっとしたら、あこがれの〝コジロー〟と一緒に
俺は、ドキドキしながら、
「あの、今日は〝コジロー〟と
「しないよ? だってフーちゃん、一緒に遊ぶ派だから」
「同室で遊ぶってことですね」
「そーなのだー。そーしないと連携が難しいもん」
とくに、VRゴーグルユーザーがいる場合はそうだ。VRゴーグルユーザーは、ディスプレイやタブレットのプレイヤーに比べると、圧倒的に視点切り替えがやりやすい。
そりゃそうだ。だって首や視線を動かすだけで、瞬時に見たい場所を見ることができるんだもの。
VRゴーグルユーザーが同室に一人いるだけで、見張りや観察役を完全に一任することができる。これは協力プレイがメインの
「〝コジロー〟も、VRゴーグル派ですか?」
「二刀流! 使用クラスによって、VRゴーグルとディスプレイを変更してるのだ」
「すごい……」
俺は興奮していた。
「あ、あの……
「バーベキュー始めるよ!」
「バーベキュー始めるよ!」
「バーベキュー始めるのー!」
外から、父さんと、パパ、そして
「な、なんだってー!!」
「こうしちゃいられない! すぐにお肉を食べに行かないと!!」
残念。〝コジロー〟のこと聞きそびれちゃった。ま、いいや、聞くチャンスはいくらでもある。それはそうと
俺が、せっかくはしゃぎながら部屋を飛び出ていった
「その、〝コジロー〟ってひとだれ?」
「
〝マタドール〟や〝インファイター〟の使い手で、
「……ふーん」
「
「……ふーん」
「………………」
うん。これ、
俺は知ってるんだ。このリアクションをしている時の
いっくら熱心に説明をしても、俺の説明をガン無視して、スマホでInstagramやTikTokを見ている時のリアクションだ。
俺は、
「はーーーーーーーーー!」
っておっきなため息をついた。
「そんなことより、もっと重要なことあると思うんだけど……」
「あ、そっか! バーベキューはじまってるんだ!」
俺は、いそいそと、ドアに向かっていった。すると、
「……おぎ…………せい、せっかく脈アリな感じなのに……ホント、おこちゃまなんだから……」
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