第45話 計算違いのゼロ距離発射。ーGー
壁まで吹き飛ばされた俺は急いで戦線に復帰する。俺も攻撃に加わらないと。
ちょっと計算は狂ったけど、回復効果アップ魔法の〝
俺は、ドリルドリュウからかなり離れて背後にまわると、画面を照準モードに切り替えて首の付け根に狙いを定める。そして、コントローラーのアタックボタンを押しっぱなしにして心の中でカッコよくさけんだ!
(伸びろ、
すると、〝ロンリー〟の装備した棍が「ぎゅーーーいん」と伸びて、ドリルドリュウの弱点である首の付け根を「コンコンコンコンコンコン!!」とこづき始める。
魔法の名前は、〝
〝
ただし標的を外すと、縮めてからじゃないと再攻撃できないから、外した時のスキは絶望的にでかい。(マトが小さいリトルヨウコや、動きの素早いオンソワネズミ相手にはとうてい使いこなせない。弱点が小さい発狂前ドリルドリュウも無理)
大変なのは、
そのうえ、ドリルドリュウの目線にはいって囮をこなし、しかもその動きをトレースするセレブレッドにまでも気を配る。
『すげーな、ブロックつかいまくりだよ』
『よく石のかけらが持つよな……』
『チュウチュウレインの存在がマジでかい』
『そ、無駄撃ちしたのを回収してもらわないととっくに在庫切れ』
『はー考え抜かれてんなー』
俺は、オフにしたコメント欄をチラリとみる。総コメント数はどんどん増えていって、ついには5000を超えている。戦闘が終わったら、さかのぼって確認しないと……有益な書き込みがあるかもしれない。
って、だから気を抜くな! 俺は雑念が多すぎる!!
俺は軽く息を吐くと、
「パズル、準備できたんだ!」
「うん! あとワンスライド! 「35」を左に動かせば呼び出せるよ!!」
「じゃあ、出して欲しいタイミングで声をかけるから。あ、その前に
「わかった! じゃあ、もう目をつむっておく!!」
「了解!!」
よし、切り札は準備万端だ。あとはギリギリまでドリルドリュウのHPゲージをけずればダブルオーバーキルは確定だ!!
俺はコントローラーの攻撃ボタンを押しっぱなしにして「コンコンコンコンコンコンコンコン!」と高速連打をかます〝
「ここで、〝救出〟です!!」
「りょーかいのすけ!」
「わかったのーーー!」
俺が叫ぶやいなや、SSR美人ゲーマー姉妹は、緊張感なく返事をする。
〝フーター〟は、ワイヤーガンを地上めがけて射出した。ワイヤーはするすると伸びて、セレブレットに乗っていた〝マーチ〟のお尻にブスリと刺さる。そしてまたたくまに、あざとカワイク短いふりっふりのスカートを押さえる(でもあざとくパンチラしている)〝マーチ〟を自分の元によびよせて「スタリ!」と、〝よろず〟がうずだかくつみあげたブロックの上に着地した。
「
「りょーかいのすけ!!」
すると、「ずにゅり!」と、生々しい効果音がして、
Finish!
え??
めっちゃ発音のいい、イケメンボイスが響きわたって、画面内にカッコイイフォントが踊っている。
『ぐおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!』
『コケ! コケ! コココ! コケコッコー!!』
ドリルドリュウが苦しむ中、
OverKill!
めっちゃ発音のいい、イケメンボイスが響きわたって、カッコイイフォントが踊っている。
〝キンチョチョチョール〟は、360°全方向に鋼の羽を乱射する超広範囲攻撃だけど、ゼロ距離で全弾命中させたら、その火力は最大進化干支モンスターのなかでもトップだ。
OverKill!!
よし、ダブルオーバーキル達成!!
OverKill!!!
……え?
おれは、とんだ計算ミスを犯していた。〝キンチョチョチョール〟の全方向乱射は、
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