第41話 逃した魚は無限大数。ーGー
「
〝フーター〟と、〝よろず〟の神業連携プレイを見ながら、俺は
「イヤだよ! だってヒツジが可哀想だもん!」
と反論した。ご飯をつめこんだリスみたいなまんまるなほっぺたを、ことさらにプックリとふくらましている。
「わかるー、可哀想だよね。シャンシャンメリー」
「でも、ドリルドリュウの攻撃をさばききれませんよ?」
「だいじょーぶー。だってそれがバリケーターの本職ー」
そう言いながら、
すると、〝ロンリー〟と〝マーチ〟、そして〝よろず〟を取り囲む様に、ブロック塀が積み重なっていって、あっという間に砦が出来上がった。
そして信じられないことに、ずっと〝フーター〟との連携プレイをノーミスでこなしている。人間技じゃない!!
「すごい! お城みたい」
VRゴーグルをかぶった
俺は知ってしまった。ついさっきまで体育座りをして無邪気に無防備な格好をしていたの……あれ、全部ワザとだったんだ。
俺の視線を意識して、ワザと制服のスカートから水玉のパンツを見せつけたり、ニーソックスの絶対領域としましまパンツをチラ見せしていたのか……。
「
「わかりました!」
「できた!」
『♪チューチューチュー チュチュチューチュー
チュチュ チューチュチュー
チュチュ チューチュ チューチューチュ〜〜〜〜〜〜♪』
と、歌いながら大量の黒いネズミがワチャワチャとあふれだしてきた。
「え? なにこれ??」
「二進化干支モンスターのチュウチュウレインだよー。フィールド上のアイテムを拾ってきてくれるのー」
「なにそれ、かわいい!!」
「画面に出ている、ネズミのアイコンあるでしょー。そこをクリックしてー」
「はい」
「そしたらー、わたしが使っている〝よろず〟をえらんでほしーのー。モグラが地面にちらかしてある〝石のかけら〟が、バリケーターが召喚するブロックの材料だからー」
「わかりました!」
すごい。
頭の中で、ダイアログが開いた。
ピロリン。
—————————————————
〝
ベリーハードから、
ウルトラハードに変更されました。
注意:
〝
変更は受け付けません。
—————————————————
俺は、
ちっちゃなネズミのチュウチュウレイン達は、ドリルドリュウがまきちらした〝石のかけら〟をひとつ逃さずかき集めて、〝よろず〟のアイテムボックスに収納しつづけている。
俺は、こんなことわざを思い出していた。
『逃した魚は大きい』
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