第38話 欠員ゼロの4人パーティー。ーGー
「そんじゃ、フーちゃんはシャワーをあびてくるのだ!
サッパリしたあと、今度こそモグラをぬっころす!!」
プロテインドリンクでHPが回復した
「モグラってー、ドリルドリュウのことー?」
「え? あ、はい。
「パーティーはー?」
「俺が陰陽導師で、
「すごーい。全部新クラスだ。たのしそー。でも、ドリルドリュウにはちょっと相性悪いかもー。攻略動画にそのパーティーはいなかったしー」
え? 攻略動画まで見ているの!? ひょっとして
「は、はい。タンク職か回避スキル持ちがいないと、正直きついかなーって。マタドールとかバリケーターがいないと、発狂モードをさばききれない」
「うんうん。津波からのHPドレインの回復ループはひどいよねぇ」
俺は胸が高鳴った。ドキドキした。もちろん
俺は、
「
「えー、でも晩御飯の用意をお母さんだけにしてもらうのは悪いですよ……」
「何言ってるの、今夜はバーベキューよ。もう下ごしらえはおわっているんだから」
母さんの言葉に、ママが乗っかる。
「そうそう! 火の番をするのは男の仕事! あとはパパと父さんにまかせなさい!」
「そういうこと!」
パパはムキムキと胸を動かしながら丸太みたいな腕にチカラコブを作って頼もしく言い放った。そして父さんはそのたくましい腕にぶらさがって、
「ここは私たちに任せて
って、頼もしく? 言い放った。
「……じゃあ。お言葉にあまえちゃおっかな……スーちゃん、
「もちろんです!」
「も、も、もちろんです!!」
「えへへ、
「う、うるさいな
ものの見事に図星を指摘された俺は、顔が真っ赤になる。
「おおー、イーちゃんも、参加するのか!!
今日は満塁ホームランなのだ!!」
バスタオルで髪をわしゃわしゃと拭きながら、見慣れただるんだるんのパーカー姿(でも色違い)の
「はいたら負け」がポリシーの、ノーブラノーパンスタイルだ。
「遊ぶのは、フーちゃんの部屋だよね。わたしは自分の機材をとってくるから、みんなは先に3階にいっててー」
そう言って、
「よーし、イーちゃんがいれば百人力なのだ!! 今度こそモグラをぬっころす!!」
俺たちは、はいてない
「……あれ? 今度はエリアルハンターですか?」
「そうなのだ! フーちゃん、イーちゃんと遊ぶ時は、エリアルハンターって決めているのだ!」
「え、てことは……」
ガチャリ。
俺がちょっと考え込んでいると、背中でドアが開く音が聞こえた。
「おまたせー。それじゃ、はじめよっかー」
「……やっぱりだ。
「そー、わたしはVRゴーグルをかぶると画面酔いしちゃうからー。これなら普段から使いなれているしー」
この環境でプレイするクラスなんてひとつしかない。
「ひょっとして、
「そうだよー。一と乃をくっつけたら、〝
そりゃ知っている。バリケーターの〝よろず〟は、マタドールの〝コジロー〟、そしてエリアルハンターの〝フーター〟とパーティーを組んで、数々の高難易度ミッションを、信じられない神業プレイでクリアしまくっている、レジェンドプレイヤーのひとりなんだもの。
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