第35話 インキャぼっちは度胸ゼロ。
俺から視線をちょっとだけはずして、顔を赤らめている。
……え? どういうこと?? つまり、えっと……え? どういうこと??
俺は、
「好きだよ。
……え! どういうこと!? つまり、えっと……え? どういうこと!?
なんで俺なんかのことが好きなの??
ただの幼馴染なのに、なんで学園一の美少女が、インキャぼっち野郎のことが好きなの??
「だ、だからね。その……
いやしっちゃかめっちゃかなのは俺の頭か?? 頭がバグったのか??
と、とにかくだ。今、俺の目の前には、学園一の美少女が半裸になって俺に告白をしている。全く意味がわかんないけど事実だ。
「
そう言うと、
服を脱いだら、なんだか仕草も、おしとやかというか、しおらしいというか、要するに色っぽく見える。
俺は、
「
うん。これはフラグが立っている。完全にフラグがギンギンにおったっている。そして俺のここに書いてはよろしくないフラグもカチンコチンになっている。
ピコン!
俺の頭の中で、ダイアログ画面が開いた。
—————————————————
〝
▷はい いいえ
—————————————————
なんて簡単な選択肢なんだ。なんて簡単な2択なんだ。
こんなベリーイージーな選択肢を選ぶだけで、俺は晴れて童貞卒業だ。
学校でイジメられて保健室に登校しているインキャぼっち野郎にはちょっと信じられないくらいのウルトラレア級ラッキーだ。
そう、とっても簡単だ。とっても簡単なハッピーエンドだ。
ひるむな! 勇気を出せ!
俺は、震える手で、
俺は、
「服、着ろよ……
俺は頭の中のダイアログの選択肢を選んだ。
—————————————————
〝
はい ▷いいえ
—————————————————
ピロリン。
—————————————————
了解しました。
引き続き、難易度ベリーハード
〝
—————————————————
俺は、頭の中のダイアログを閉じると、
「俺……好きな人がいるんだ」
「知ってる。
「バレてたんだ」
「そりゃそうだよ。
「高三になったら就職を決めて、学校を卒業したら、告白したいと思っている」
「かなりの無理スジじゃない?」
「わかってる」
「…………そっか」
「服着るから! 絶対に見ないでよ!!」
俺は、
「み、見ないよ!!」
「どーだか……
「そ、それは」
「きっと、アタシのパンツも、あんないやらしい顔で見られてたんだろうなぁ」
「……ぐふっ」
俺は、返す言葉が見当たらなかった。めっちゃ恥ずかしい……。
「まあ、許したげるよ。
その代わり、高校卒業してから
「ああ……」
そのあと、
多分、照れ隠しだと思う。そうしないと、間が持たないんだ。
「いいよ、クッション外して!」
俺は、言われるがままクッションを外すと、そこには
そしてそのまま俺の唇に、自分の唇を押し付けてきた。
「えへへ、悔しいから、
あ、もちろんアタシもはじめてだよ。よかったね!」
「………………」
俺は何も言えなかった。
だって、俺のファーストキスは、
忘れもしない。俺は素っ裸の
その残酷な事実を、インキャぼっちで度胸ゼロの俺は、一緒にファーストキスをしたと信じ切っている
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