第33話 ゼロ距離おねーさんはオアヅケです。
「フーちゃん、スーちゃーん、
階段から
俺と
「今日はー、みんなで手巻き寿司なのー」
「手抜きでごめんなさいね」
「ねー、休日くらいは手抜きですよねー」
そう言って、母さんと
だって出来合いの料理なんてひとつもないんだもの。
煮込んだ穴子にスズキの昆布締め、細かくさばいたコハダに漬けマグロ。マダコにいたっては4~5時間も煮て仕上げているタコの桜煮だ。ちょっと信じられないくらい手がこんでいる。
母さんは料理が趣味だ。そしてめちゃくちゃ美味しい。
そして
「すごーい!」
そして、すばやく手を洗った
ピシャリ!!
「
「な、なんだってーーーー!!」
「はい。そこまで!
これからパパと一緒に楽しい楽しいワークアウトだゾ♪」
「やめろー怪人マッチョこけし!!」
「はっはっは! 元気がいいなー」
怪人マッチョこけしのパパは、ニコニコと笑ったまま、丸太の様な黒くて太い腕で、
「じゃ、ランチを楽しんでくれたまえ」
パパは、ガラ空きの左手で気取って敬礼ポーズをすると、トントンとリズミカルに階段を降りていった。
俺は、
え!? これ、さっきから、ずーっと見られている?
ヤバい! 俺、いやらしい顔をしていなかったかな……だらしない顔をしていなかったかな……気持ち悪い顔をしていなかったかな……。
俺は、なにか適当な言い訳を考えていると、
「
って、ニコニコの笑顔で返事をした。
「う、うん……」
俺は、なんだかイヤな予感がした。
俺は、それが心配で心配で、目の前のご馳走が、ほとんどのどに通らなかった。
手巻き寿司を、握ることができなかった。
・
・
・
「ごちそーさま……」
「ごちそーさま!!」
結局俺は、手巻き寿司を三貫しか食べることができなかった。
となりでは、ご機嫌で巻き巻きして、十貫も平らげた
俺と
「どーする?
「うーん……それもいいけど、アタシ、
「別に、引っ越し前と変わんないよ。まあ、ちょっと広くなったくらいで、別におもしろくもなんともないよ」
「まあ、でもせっかくだし見てみたいな。あと、誕生日プレゼントを渡したい。アタシ、絶対に夏休み中に……
「ん? プレゼント、もってきてるの?」
「うん! もうずっと前から準備オッケーだよ」
「へー、なんだろ? 気になる」
「えへへ、
俺が驚くプレゼント?? なんだろう?? あつ森の追加コンテンツのシリアルかな?
俺は、この後、
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