第32話 ゼロ被害じゃないと意味がない。
Finish!
めっちゃ発音のいい、イケメンボイスが響きわたって、画面内にカッコイイフォントが踊っている。
『ぐおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!』
ドリルドリュウは、発狂モードのむらさき色から、元の茶色に戻って、まるで土でできたゴーレムみたいにガラガラと崩れ去っていった。
『ナイスバトル!』
『でもおしかったな!』
『だな』
『残念、オーバーキルが見たかった』
『それはしゃーない。オーバーキル判定はパーティ全員生存が絶対の条件だし』
『最後のは運が悪すぎた_(┐「ε:)_ 』
『まったく』
『みんなよく頑張った』
『ええもん見れた』
『エライ!』
『888888888』
『おつかれさまでした』
ギャラリーは、俺たちの健闘をたたえて、ひとり、またひとりと立ち去っていく。
「むっきゃーーーーーーーーーーー!!」
VRゴーグルをはぎとった
ドリルドリュウの発狂モードみたいだ。
「フーちゃんは、おねーさん失格なのだ!
大切な弟と、その彼女を護れなかったのだ!!!」
「いやいや、全然そんなことないッスよ。俺の責任です。
あと、
俺は、
あと、俺と
確かに
〝
それから
だって、
俺は、
やっぱり、〝フーター〟の変態的な動きに、絶えられなかったんだな……VR酔いをしてしまったんだ。
「大丈夫?
俺は、心配になって声をかけた。すると……。
「え!?
……あ、うん、大丈夫。ちょっと気持ちが悪くなっただけ……」
って、ちからなく返事をした。
「無理させてごめん……ちょっと、横になる?」
「うん。じゃあ……せ、せっかくだからヒザまくらして!」
「え……」
なんで? 俺はぶっちゃけ
(〝
でも、
「スーちゃん、レディーはいたわらないとダメ!!
素材集めは、おねーさんにまかせるのだ!」
って、
「えへへ……」
俺のふとももに頭をのっけた
俺は、
「今日、いつの間に家にきてたんだ?」
「6時ちょっと過ぎ」
「全く気が付かなかったよ」
「えへへ、昨日のうちに、
「どーりで、全く気が付かなかった」
それから俺と
そりゃそうだ。聞けばフレンチトーストの液は家で仕込んだみたいだし。5時前には起きた計算になる。
俺は、お昼ごはんになるまで、
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