第28話 ゼロイチなネーミングセンス。ーGー
〝ドリルドリュウ〟のステージは、深い深い地中の中だ。遥か上空に真っ青な空と太陽がのぞいていて、光が差し込んでいる。
いかにもモグラがモチーフのモンスターの
「キャ! なに??」
ボスステージに突然地震が起こったからだ。揺れはだんだんとおっきくなって、「ゴゴゴゴ」と地響きもおっきくなっていく。そして、
『ギギギーギギギー!』
きしむような叫び声をあげて、地中から〝ドリルドリュウ〟があらわれた。
おっきなモグラの上半身。下半身は地面埋まったままだ。
〝ドリルドリュウ〟が手をめちゃくちゃに振り回すと、大量の石つぶてが舞い上がる。
そして、パーティーメンバーの〝ロンリー〟と〝マーチ〟をガン無視してひとり突っ走っていた〝フーター〟に降りかかっていった。
「あらわれたな! モグラ!! お前はこのフーターがぬっころす!!」
射程と照準性能が悪いけど、威力と装填速度はピカイチの、通好みなスナイパーライフルだ。(いつのまにつくったんだろう……)
『お! 今回は普通にスナイパーするんだな』
『違和感がパナイw』
『でもすごいな、しっかりモグラの弱点の「目」にダブルインパクトを決めて、毒ダメージを貯めまくっている』
『変態w』
よし、俺も戦闘に加わろう。でもその前に……
「
「難易度は?」
「〝むずかしい〟で」
「まかせて!」
俺は
〝
たちまち、俺のあやつる陰陽導師〝ロンリー〟の装備している武器が、ショートソードから爪に変化する。
陰陽導師は、実は武器を装備できない。だから武器も魔法で召喚する必要がある。さっき使っていた剣は、〝
陰陽導師の〝
そして今の時間は、〝
俺は、唯一まともに使いこなすことができる、威力と制限時間が2倍に増加した
『お、ぼっチート導師は爪使いか!』
『なるほど、インファイターもソロ向きだもんな』
『孤独のロンリーw』
『そうです。わたしがぼっちなロンリーです』
『だっふんだw』
ギャラリーモードの書き込みは、完全に俺の本性を見破っている。すごい。
『でも、陰陽導師って回避スキルないよな』
『ひょっとして、ロンリーも神業ゲーマーの変態プレイヤーなのか?』
ちがいます。変態プレイヤーは俺ではありません!
「できた!」
そうです。
『めぇーーーーーー』
『うわ、また二進化境界術かよ!』
『廃課金w』
『はい課金w』
『課金乙w』
『課金乙w』
『課金乙w』
『素人丸出し』
『課金乙w』
『課金乙w』
『課金乙w』
『いや理論上はボス開始時からでも組める』
『なわけねーだろw』
『素人乙w』
『素人乙w』
『素人乙w』
『素人乙w』
『
『あーそれなら、ギリ考えられる』
コメント欄は滝のようにながれている。
そして、観客モードの書き込みは、完全に
まさか、ボス戦が始まって、しかも登場した後から難易度〝むずかしい〟の〝16パズル〟を解いたとは、ほとんどの人が気づいていないようだった。
まあ、仕方がない。俺だって観客モードで見ていたら、すぐ隣で
『ところで、ヒツジって何するモンスター?』
『デコイモンスターだよ。ロンリーのダメージを肩代わりするんじゃね?』
『ほんとだ。ヒツジ、めちゃくちゃダメージうけてるな』
『いやでもロンリー、攻撃を避けるの下手すぎだろw』
『ほんとだ、俺でももっと上手いw』
『だな』
『下手杉』
『素人乙w』
『素人乙w』
『素人乙w』
『素人乙w』
コメント欄は滝のようにながれている。
そして、観客モードの書き込みは、完全に俺のプレイスキルを見破っていた。
そう、俺はアクションゲームはてんで苦手なんだ。
だから、要求されるアクションスキルが少ない、インファイターや陰陽導師を使っているんだ。
でもこれだけはハッキリと言わせてもらう!
〝ロンリー〟の名前の由来は、〝lonely〟ではない!!
『論理演算』。日本語からつけたんだ。
プログラミングの
ま、俺がインキャのぼっちだって自虐ネタも、ちょっとだけ入っているけど……。
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