第27話 課金ゼロのチートスキル。ーGー
コンコン!
コンコン!
俺は、
「はいはい〜空いてマッスル」
ドアの向こうから、おとぼけた声が聞こえてくる。
ガチャリ
俺がドアを開けると、
「早く始めるのだ! 今日はモグラをぬっころす!」
そう言って
「あ、
「ポチッとな!!」
しかたがないので、俺と
しばらくすると、観客モードにぽつぽつとユーザーが集まり始めた。
『今日はついにドリルドリュウか』
『フーター、シノビスナイパーなんだな』
『ぼっチート導師のロンリーも一緒か』
『あと、境界術師の……マーチ? 知らないプレイヤーだな』
『でも、よりにもよって、シノビスナイパーと陰陽導師か……』
『こんなクラスで大丈夫か?』
『大丈夫だ、問題ない!』
『フーターとロンリーなら、絶対なにか企んでいるはずだしな』
いや、問題だらけだ。そして全くのノープランだ。正直言って勝てる気がしない。一昨日までならこのパーティーは超鉄板パーティーだったんだけど、今は相性が悪すぎる。
俺はそのことを素直に告げることにした。
「
「なにー! あきらめたらそこで試合終了なのだ!!」
「そのとおりです、
うん、ダメだ。全然とりあってくれない……。
(
でもまあ、やるしかない。
俺は、ボスエリアまでの行手をはばむ雑魚モンスターを装備している剣を使って攻撃しながら、
「
「昨日とおんなじだね? 難易度は?」
「〝むずかしい〟で」
「え? 〝むずかしい〟を遊んでもいいの? やったー!!」
振り向くと
キュロットスカートだから一応は安心だけど、ふとももに食い込んだニーソックスがおりなす絶対領域も破壊力は抜群だ。
モニターに視線を移すと難易度〝むずかしい〟のスライディングパズルゲーム〝箱入り娘〟が表示されている。
箱入り娘は、横4マス、縦5マスのフィールドから、横2マス、縦2マスのおっきなコマを、外に出せばいいゲームだ。
その難易度は、パズルに配置された『長方形のコマ』の数で決まる。
〝むずかしい〟は、『長方形のコマ』が4つもある。まともにやれば、10分くらいは余裕でかかる。
でも、
そして、あっという間に、赤字で〝
「できた!」
『ヒヒーン!』
中からたてがみが金色にかがやく美しい馬が「スラリ」とあらわれた。
「すごーい! カッコイイ!! 難易度〝やさしい〟で出てくる〝ポニーレット〟も可愛くって好きだけど、こっちもいいな」
そう言いながら、
「〝ポニーレット〟が二段階進化した〝セレブレット〟だよ。とりあえずこれで移動はオートでやってくれるから。スタミナがあるから、長期戦でもへっちゃらさ」
俺のあやつる〝ロンリー〟と、セレブレットにまたがった〝マーチ〟は、二帆さんがあやつる、雑魚的を高速に蹴散らして進んでいく〝フーター〟を追いかけていく。
『うわ、二進化境界術!』
『パズル解いたのかな?』
『あの時間で……!?』
『まさか! 課金プレイだろw』
『ペットフードの課金プレイ。運営に踊らされてる家畜ユーザーw』
『あわれw』
『でも、変態プレイヤーの〝フーター〟と、ぼっチートの〝ロンリー〟と一緒にプレイするには、課金しないとむりだよな……』
ギャラリーは、ちょっと尋常じゃないスピードで〝セレブレット〟を呼び出した〝マーチ〟を、勝手に廃課金プレイヤーだと決めつけてはやし立てている。
うん、ごめんなさい。
凡人の俺は、ウルトラチート級ゲームスキル持ちの、カリスマモデルと美少女幼馴染に囲まれて、なんだかとっても申し訳ない気分になりながら、ボスの〝ドリルドリュウ〟が待つエリアへと足を踏み入れた。
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