第26話 ゼロ距離の監視体制。
「に、逃げるのだ!!!!!!!」
シュタタタター……バタン!
「まったく……パパ、今日のワークアウトはこってりしぼってちょうだい!」
「ああ。そのつもりだよ! 限界の向こう側まで追いこむ必要がありそうだ!」
(元)仁科夫妻は、なんだか物騒なことを言っている。
「あ、あの……ごめんなさい……」
「……どうかお手やわらかに……」
だって、フレンチトーストを焼いたのは俺だもの。
「
「そう。
いつもはケンカばっかりのパパママだけど、今日は仲良く
「まあまあ、撮影は週末でしょ?」
「そうそう、まだまだ時間がありますし、
すかさず、父さんと母さんがパパママのフォローに入る。
うん。なんだか本当に色々とややこしい家族構成の我が家だけれども……とりあえず、我が家にとってはこれがベストな気がする。絶妙なバランスな気がする。
「
「まったく、産みの親としては、こんなにも自由奔放だと、一体誰に似たのかと不思議に思うわ。
ぷりぷりと怒るママと、ぐったりと肩を落とすパパを、父さん母さんが互いのパートナーをはげましながら、2階のリビングへと降りていった。
リビングでは、テキパキと
(4人分だし……これは、俺も手伝った方がいいな)
そう思って階段を降りようとすると、
「ダメだよスーちゃん! スーちゃんのお仕事は、とーってもカワイイ
って、
「そうそう。
「ああ。その方が助かる。
俺と
「……は、はあ」
「……は、はあ」
と、あいずちをうつのが精一杯だった。
俺と
「アタシもう、軽々しくダイエットしたいなんて言わないよ。
だってさ。甘いモノなんて絶対我慢できないし、もし食べたらめちゃくちゃ運動しないといけないんだよ。そんなの絶対にたえられない!
アタシ、モデルの世界をちょっと甘く考えすぎていたかも……」
俺は思った。そんなことないって思った。
それに、
それって、成人女性の一日の摂取カロリーをゆうに超えているモノ。
ママが言う通り、
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