第19話 知識ゼロの幼馴染。ーGー
俺が
名前は〝マーチ〟って表示されてある。三月生まれの
「なにこれ? おもしろーい?」
〝マーチ〟は手を振ったり、手でハートを作ったり、すねて足元の石をけったり、じたんだを踏んだりと、いろんなジェスチャーを使って喜んでいる。カワイイ。
「次は、クラスを選ぶのだ!」
「クラス、なんですか? それ?」
「お仕事みたいなモノなのだ、ミーちゃんが好きなものをえらぶといい」
「あの
俺はたまらず口をはさんだ。
「大丈夫だ! 問題ない!!」
「考えるな! 感じろ!! なのだ」
「感じる……! なるほどですね!!」
「
「わかりました!」
VRゴーグルをかぶった
「『インファイター? 先行入力のアイキ? やカウンター? が強力なクラス?? 敵の攻撃を第六感で察知して? 華麗なカンフーアクションを決めろ???』
あ、あの……
「大丈夫だ! 問題ない!! ミーちゃんは、そのクラスからは
「なるほどですね!!」
……うん、だめだ。問題だらけだ。
でも、
俺が使ってる〝陰陽導師〟や昔使っていた〝インファンター〟がその代表的なクラスだ。操作はスキルや魔法がメインで、ほとんどアクションゲームのスキルが必要ない。攻略動画や攻略サイトで事前知識をたくわえて、スキルや魔法を計画運用して戦うのが本領だ。
とはいえ、この手のゲームを全く遊んだことがない、まったくの初心者の知識ゼロの
「これにしようかな……」
ディスプレイにうつった〝マーチ〟は、えんじ色の
「境界術師!
俺は、
「うーん、でもなあ……」
「おー、カワイイ! めちゃんこカワイイ!!
〝マーチ〟にとっても似合う!!
「ありがとうございます。アタシ、このクラスを使います!!」
たちまちディスプレイから大袈裟なファンファーレが鳴り響いて、〝マーチ〟がかわいらしく内股気味でひかえめなガッツポーズを決める。
え? どういうこと??
つまりは、
ちょっとなに言ってるか、わからない。
本当に俺には理解不能な世界だった。
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