第4話
カリアと面接した結果、誠実そうで人柄も良く、その上この仕事に対しての意欲が感じらられた。
まあ、元々騎士団にいたらしいからそこら辺はきっちりしてて当たり前といえばそうなんだろうけど。
「して、店長殿。結果はどうだ?私は採用か?それとも不採用か?」
「その前に、あの……騎士団って公務員なんですよね?いいんですか?給料はガタ落ちですよ?」
「問題はない。国民からの税金を無駄にするようなあんな腐った組織にいたくはない」
「そうですか。なら、カリアさんを採用します。ただ、まだスタッフが十分に集まってないのでこの店がオープンするのは当分先になるかと思いますが」
「僭越ながら店長殿、何にもわからない身で言うのもアレなのだが、この広さなら3人でもなんとかなると思うのだが」
3人でもできる、か。たしかによくよく考えてみるとレジは俺がやればなんとかなるし、商品の発注はきっとディアが担当する。それに力仕事に自信があると自負しているカリアさんがいる。
けれど俺的にはあと2〜3人いれば忙しい時でも確実にまわせると考えているし、ありえないとは思うけど、もしカリアさんがバックれしたときに安全なんだけどなー、なんて考えていたんだけど……。
このまま集まらなければ店は一生オープンできないしせっかく来てくれたカリアさんが可哀想だよな。しょうがない。
「なあ、ディア」
「ん?なに?」
「明日から店をオープンするぞ」
「りょーかい!」
ふひひっ、ニホンのコンビニの食べ物が火を吹く時!異世界の人間に私のオススメを押し付けて……となにやら不穏なことを言っているようだが無視して。
「というわけで明日からカリアの教育係兼サポートよろしく」
「いいけど、休憩時間にお菓子食べていい?」
「食いすぎるなよ」
「やった!」
「独り占めはするなよ?ちゃんとカリアにも食わせるんだぞ」
「もちろん!」
さてと、話は纏まったな。
「カリアさん、明日からこの店の一員としてよろしくお願いしますね」
「ああ!こちらこそよろしく頼む!」
差し出した手をカリアが力強く握る。
スタートは遅いが、これからだ。
補足:
2話で店員としてディアを登録したので営業許可は取れました。
バイト全員にバックれられたので女神と共に異世界でコンビニを経営したいと思います 猫と犬が好き @nikuoisi
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