13話 永遠の闇

ミスリルと話し込んですっかり帰りが遅くなってしまった。


霊夜にとても怒られたが椿はあまり怒らないでくれた。


椿曰く


「寄り道くらいみんなしたことあるわよ」


この言いようだと、椿もこんな事がたくさんあったのだろうか


冥界で夕飯をご馳走してもらい、今は誰もいない我が家で体を休める  


「明日も、頑張らないとな」


1人呟き、眠りに落ちる


セシルとレイが出かけてからもう少しで2ヶ月が経つ。あっちでは何かが起こっているのだろうか


…………朝か


魔術時計が7時を指している


「やけに暗いな。雨か」


窓を開ける。そこには


「…え?」


闇が広がっていた。

真夜中よりも暗い

まるで闇そのもの


「え、えっと…まずは」


頭が動かない

こんな時どうすれば


「椿のところへっ!」


家を出て山道を駆ける


「アビス!」


「霊夜!?」


霊夜がこっちへ向かってくる

そうなるともう椿は対応を始めているのか


「俺たちは近隣の住民の避難を始めて手を離せない!手伝ってくれても助かるが、お前はもう俺と並ぶくらいには戦える。だから」


「この闇を作った元凶のところへ向かえばいいんだな!」


霊夜たちがそうしてくれているならそのつもりだ


「あぁ…けど、気をつけて。魔力は西へ集まっている」


「西だな!わかった」


西へと走り出す。西というと「森林地帯」

レイがいないのをいいことにこんな事をしてる奴がいるのか!?


森を駆け抜ける。そこには


「なっ…でっかい城…」


ここが、事件の元凶

城…?屋敷のようなものがそびえ立っていた


〜〜〜〜〜〜


舞台は変わってその屋敷の中

その最奥


「ナナミ、私はもう準備できた」


「はい、お嬢様。では、妖魔を放ちます。クルーエル、妖魔の統制、頼みましたよ」


「はいはい、じゃあ各々頑張りましょー」


「それでは行きましょう。お嬢様。いえ、ラハブレムの新たな女王、アンビ様」


そうして妖魔は放たれた。ラハブレム全てに


屋敷の地下で、1人の少年がつぶやく


  「誰か…姉さんを止めて」


誰にも届かない世界を救うための願い


「はぁっ…はぁっ…」


屋敷へ辿り着く。

大きい門の前に、1人の青年が立っていた


「まぁ、そうだよな」


剣を抜く準備をする


「そう慌てるなって。もうどうせこの世界はダメなんだからさ」


随分と適当な人だ。こっちはこっからどうしようか悩んでるところだっていうのに


「じゃあ、とりあえずやりますか」


「くっ…」


未知の敵。今までの特訓とは訳が違う

まずはこの門番から倒さないと


水色の髪に拳法服を着た青年は戦う構えをとる


「言っとくが、殺す気で行くからな」


空気が変わる。一気に殺意に包まれる

いや、勝つんだ。こっちこそ


    「「殺す気で行くっ!」」


抜刀


「剣か。おー怖い怖い」


「そっちこそ、殺気ましましの拳はなんだよ」


………………


「行くぞっ!!」


闇を解放するための第1戦が始まった

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