〈コウ視点〉










ヒョウ「・・・・来ないね…カオル…」





シュウ「・・いい意味での寝坊ならいいがな…」






1限目の講義の開始合図が鳴り響き

まだ教室に現れないカオルに

ヒョウ達も気になっているようだ…







( ・・ホントに別れたわけじゃないよな… )






シュウの言うように

あの後、笑実ちゃんが帰って来て

仲直りついでに朝まで楽しんでました

とかならいいんだが…





ヒカル「20時までって…何してたのかな」





ヒョウ「・・・・バイトとか?」





俺も昨日はヒョウと同じ事を思った…

来月のカオルの誕生日に向けて

バイトでも始めるのかと…






シュウ「一日だけか??」





コウ「・・・連日門限破ってたら

   それこそカオルの逆鱗に触れるだろ…」






そんな事はしないだろうし

隠れてバイトをするなら土日の日中だろうと思い

バイトでは無い気がしていた…





( まぁ…結局帰って来るなって言われたけどな… )






ヒョウ「・・・結構…本気だったよね?」





ヒカル「・・・・・・」





ヒョウ「去年もなんかあったって言ってたじゃん?

   昨日みたいな感じだったの?」





俺とヒョウはその場にいなかったが

去年もバイト仲間といる笑実ちゃんを見て

怒ったカオルは夜中に押しかけて行き

笑実ちゃんに酷い事を言って泣かせたと聞いた…






シュウ「去年のは…まぁ…

   カオルって言うか…

   笑実ちゃんから「大嫌いです」って

   離れて行った感じだったからな…」






ヒカル「・・・今回はカオルからか…」





コウ「・・・・・・」





嘘にたいして怒るのも分かるが

理由も聞かないで「帰ってくるな」は

流石に言い過ぎな気もした…






ヒョウ「・・チワワも「はい」って返事してたし…

   やっぱり別れちゃったのかな?」






ヒョウは顔をパッとコッチに向けて

聞いてきたが、その声は興奮しているのか大きく

教室中にしっかりと響いた…






ヒョウは教授から注意を受け

口に手を当てながらシマッタと言う顔をしている…






教室のあちこちでコソコソと話す

独特な声が聞こえ出し…

講義を終えて帰る時には

違う学部のサトル達の耳にも入っていた…






サトル「カオルの奴、やっと別れたのか?」





コウ「・・・・何笑ってんだよ…」






ニコニコと笑って話しかけてきた

サトルに疲れたタメ息を吐きながら

そう言うと「めでたいからな」と

ご機嫌な様子で…






サトル「コレでまたカオルも飲み会に来るだろ?」





ヒョウ「まだ別れたか分かんないよ?」





サトル「そうなのか?

  俺たちのクラスの女達は別れたって喜んでたぞ?笑」






サトルの言葉にポケットとから

スマホを取り出してLINEを確認してみても

カオルに送った文は未読のままだった…










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