〈エミ視点〉








目を開けると暗い視界に

どこだっけと考えながら直ぐ側に感じる

カオル先輩の体温に「ん…」と擦り寄ると 

温かい肌の温もりに久しぶりだなと

手を動かすと…





「・・・・ハダ…カ?」





カオル「・・・おはよう…笑実ちゃん…」






カオル先輩の不機嫌な声に

一気に目が覚めてパッと身体を起こして

暗くなっている窓の外と部屋に

今何時と時計を探していると

カオル先輩がベッド上のカーテンを開けて

月明かりで部屋が照らされた





「・・・満月…」





窓から見える明るい月を見て

綺麗だなと思っていると

「月が気になる?」と冷たい声が耳に届いて

暑い夏の夜の筈なのに

ヒヤッとした冷たい空気を感じた…






「・・・おっ…おはようございます…」





カオル「・・・・・・」





「今…何時ですか…」






カオル先輩はベッドサイドにある

スマホを手に取り「深夜3時だね」と

答えるとコッチを目を細めながら見ている…





20時前からずっと寝ていたんだと分かり

自分でも呆れていると

「はぁ…」とカオル先輩のタメ息が聞こえた



 



カオル「・・・それで寂しい……ねぇ…」





「・・・・すっ…すみません…」






川で「寂しいです」なんて言っておいて

一人でグースカ寝ていたんだと思うと

恥ずかしくて顔を上げれなくなった…






カオル「・・・・・・」






しばらく沈黙が続いていると

カオル先輩のタメ息と一緒に

「遅いから寝ようか」と言う声が聞こえ

「えっ」と顔を上げると

ベッドに体を預けて眠ろうとしている

先輩の姿が見えて「はい…」と小さく返事をした…





( 寝てた自分が悪いんだから… )






そう自分に言い聞かせながら

涙ぐむ目が乾くのを待っていると

「寂しいんじゃないの?」

とカオル先輩の声が聞こえてきた…





「・・・・寂しい…です…」





カオル「・・・・・・」






カオル先輩は問いかけるだけで

何も答えてくれないし

何も…してくれようとはしない…






カオル「前みたいに

  笑実ちゃんが誘ってきたらいいよ?」






川でカオル先輩が言っていた言葉を思い出し

先輩は私から行動するまでは

何もしてくれないんだと分かった…





( ・・・恥ずかしいけど…やだ… )





このまま寝ちゃうのはイヤだから

着ているワンピースを脱いで

あのキャミソールの姿で「カオル先輩」と

毛布を軽く引っ張って先輩を呼んだ





カオル「・・・・・・」





美保さんが言っていた

私がプレゼントよ…

なんて言える雰囲気ではなく…





カオル「ホントに可愛いねぇ」





カオル先輩が私を抱いてる最中に

何度か呟いていた言葉を思い出した…





「・・・・カオル先輩…

  かっ……可愛がって…ください…」






毛布をギュッと掴んでそうお願いすると

毛布の動く音と一緒にベッドがギシッと音を立て

カオル先輩が上体を起こした事が分かり

ゆっくりと顔を上げるとカオル先輩が

コッチを見たまま「もう一度」と言ってきたから

座っていたお尻を上げて

カオル先輩の近くへと行き

もう一度「可愛がってください」と言って

先輩の唇に自分の唇を重ねた





唇を離すとカオル先輩は

私を自分の上に座らせ

顔をゆっくりと下げて行き

「笑実ちゃんだけじゃないよ」と呟いて

キャミソールの中に手を差し込んきた

先輩に「ンッ…」と反応しながら

先輩の言葉の続きを待っていると

ゆっくりと上がってきた手は

私の胸を直に触ってきて

「寂しかったのは…」と聞こえ

グイと抱き寄せられると痛いくらいに

荒く口付けられた…






カオル「悪いけど…

   優しく可愛がってあげれないよ」






と言って私をベッドに組み敷くと

私の首元に顔を埋めて首筋に先輩の熱い舌を感じ

「ヤッ…」と久しぶりの感覚に声を漏らすと

口に先輩の手が当てられ

「今日は声出しちゃダメだよ」と言われ

シュッとキャミソールのリボンが解かれた瞬間

直ぐに自分の胸の先端に熱い感触と

ゾクリッとする感覚を感じ

自分の腰が少し浮いたのが分かった…





いつも以上に過敏に反応していて

先輩の舌と手が与えてくれる刺激に

身体中が熱くなり下腹部から下が

うねる様な疼きを感じ…

「んッ…ンン…」と先輩の手で塞がれている

口からくぐもった声が漏れる中

身体がビクンッと大きく跳ねた…





カオル「相変わらず…可愛い子だね…」





そう言って私の下着に手を伸ばして

クチュと音を立てると

「生理…ホントはどうしたの?」

と問いかけてきた





「ンッ…はやく…き…て」





口を塞がれていた手が離され

早くきて終わったと伝えると

先輩の手が下着の中に入ってきて

直接指で触れながら「ホントは?」と

再度問いかけられ

カオル先輩は気づいているんだと分かり

「ピ…ルッ…」と与えられる刺激に

耐えながら答えると

先輩の指が抜かれ…

ハァハァと荒い呼吸のまま

先輩を見上げるとジッと私の目を見つめている





カオル「・・・止めてる状態なの?」





先輩の問いかけにコクンと頷くと

「そんなにしたかった?」と

意地悪な笑みを浮かべるカオル先輩に

もう一度頷いて「寂しかったです」と伝えると

カオル先輩は顔を寄せてきて

「勝手にいなくなった罰だよ」と言って

キスをしてきたから先輩の首に腕を回して

「罰は…もんッ…げんじゃ…」と

キスの合間に問いかけると

チュッと音を立てて唇を離され…





カオル「アレだけじゃ許さないよ?笑」





「・・・・・・」






カオル先輩はやっぱり怖い先輩だと思う…

最近は前みたいに怒鳴ったりはしないけど

征服欲は…変わらずあるようで

私を先輩の腕の中に止めようとしたがる…





( ・・・・でも…イヤじゃない… )






今はその征服欲の中に私への想いがある事も

ちゃんと分かってるし

意地悪なカオル先輩は…大好きだった…





( ・・・ピルで止めてるから…多分… )





カオル先輩は「ピルねぇ…」と呟きながら

上体をゆっくりと起こし下着に目を向けて

「笑実ちゃんが紐パン履くのは驚いたけど…」

そう言って右側のリボンを掴んで

ゆっくりと引っ張る先輩に

少しだけ焦ったさを感じていると

「今日は遊ぶ余裕ないんだよね」

とリボンを解ききり

サイドテーブルに手を伸ばし

避妊具を手に取る先輩を見つめていると

「最初だけね」と言われた






カオル「1ヶ月ぶりだし

   笑実ちゃん相手じゃ

   ゴムないと多分もたないからね」






カオル先輩の言葉の意味が分からず

「えっ?」と先輩を見上げていると

先輩はクスリと笑って

「笑実ちゃんは知らなくていい話だよ」

と言って中途半端に解かれていた

もう一つのリボンも解かれ

約1ヶ月ぶりに

私の中へと入ってくる先輩に

自分の身体が素直に反応しているのが分かった






カオル「ホント…相変わらずだね…」






先輩が困った様に眉間にシワを寄せてそう呟き

「優しくは無理だからね」と目を見て言われ

「激しくがいいです」と伝えると

グッと一気に身体を貫く様な刺激が全身に走り

声を我慢する余裕もない位に

ただカオル先輩を感じていた






私も嘘つきだけど…

カオル先輩も嘘をつきだ…





先輩が避妊具越しに達して

事後処理をしている時に先輩のスマホが光り

そこに映し出されていた時間は

まだ0時を過ぎたばかりで

「嘘つきですね…」と先輩を見上げると

カオル先輩は小さく笑ってから






カオル「ああ言わないと

   中々誘ってこないからね?」





「・・・・ひどいです…」





カオル「生意気な子には門限延長するよ?笑」





「カオル先輩にも門限つけますよ?」






私の言葉に「俺に?」と笑う先輩は

もう一度私の足を少し上げてきて

「俺には必要ないよ」と言った






カオル「だって俺は誰かさんと違って

   毎晩ちゃんと帰ってるよ?笑」





「・・・・・・」






カオル先輩は私の試験や沙優ちゃんが

遊びに来ているとかじゃない限り

毎日夕飯の時間には帰って来ていた






カオル「笑実ちゃんは猫だからね」





「・・・・ネコ?」





カオル「そう…好きな時に寝て

   好きな時に勝手に出かけて行って…

   飼い主は結構大変なんだけど?」





「・・・・ごめんなさい…」





そう伝えるとカオル先輩は

「許すかどうかは笑実ちゃん次第だね」

と言って直に私の中へと入ってきた






カオル「朝まで声を

   我慢できたら許してあげるよ?笑」






カオル先輩のこの言葉に

ギュッと目を閉じて

自分の腕や枕で必死に声を抑えながら

何度も先輩の腕の中で

意識を手放しそうになった…









































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