〈エミ視点〉



 





夜は外でバーベキューをするからと

男の先輩達だけで準備を始めだし

カオル先輩が部屋から出て行った隙に

トランクを開けて見えない様にショップ袋に入れて

隠しておいた下着を取り出して

「はぁ…」とタメ息を吐いた…





「・・・・誘うって…」





春に私から…お願いした日は…

学校で色々あった日で

カオル先輩に強く抱きしめてほしくて

自分から服を脱いで…





( ・・・・またアレを… )






部屋にあるベッドをチラッと見て

また服を脱いで自分から先輩の上に跨ると思うと

恥ずかしくて手にある下着を顔にあてていると

ガチャッと扉の開く音が聞こえ

驚いて顔を向けると美保さんが顔を覗かせていた





ミホ「いたいた!笑」





美保さんは部屋に入って来て

私の手にある下着を見るとニヤッと笑い

「何なに?お姉さんに話してごらん?」と

私の手を引いてベッドに腰を降ろすと

サッとカッコ良く脚を組んで

「でっ?笑」と問いかけてきた…






「・・・・だ…誰にも…」





ミホ「言わない、言わない!

   女同士の内緒のお話ね?笑」






美保さんは年上で

いいアドバイスがもらえるかもと思い

「実は…」とカオル先輩と1ヶ月近く

触れ合ってない事や

さっきの川での事を全て話した…






「・・・どっ…どうやって…

  その…アプローチすればいいのか…」





ミホ「カオルって…へぇ……へぇ…笑」






顔を上げると美保さんはニヤニヤと笑っていて

スクッと立ち上がり私のトランクに

広げたままの下着を手に取って

「この前のやつね…」と呟き

顎に手を当てながら「でも同じ赤だし」と

目を閉じて何かを考えた後に

「あっ!」と言ってコッチを見ながら

ニッコリといい笑顔で笑った…





ミホ「カオルちゃん…喜ぶかもね?笑」





「・・・・へっ…」





ミホ「とりあえず…先にご飯を食べて…

 その後は私の言う通りにすれば大丈夫だから…笑」






美保さんは「普段のカオルってそんななの?」と

バーベキューの準備ができるまで

私の部屋でずっと話していて

外に出て皆んなで食事をした後に

美保さんの部屋である物を渡された…





( ・・・・可愛い… )





オフホワイトの可愛いキャミソールを渡され

「笑実ちゃんにプレゼントする」と言う

美保さんに驚きながら「頂けません」と

慌ててキャミソールを美保さんに差し出すと

美保さんは「アタシのはコッチ」と

黒のセクシーなキャミソールが出てきた






ミホ「可愛い系とセクシー系どっちにしようか

  迷ってて両方持って来てたのよ

  アタシはコッチを着るから

  ソッチは笑実ちゃんが着たらいい」





「でっ…でも…」





ミホ「あっ!下もね!ハイこれ!」






美保さんはキャミソールと同じカラーの

パンツを差し出してきて

「下はサイズ一緒だし大丈夫ね」と言って

パンツのサイド部分をヒラヒラとさせて

「ふふふ…」と笑っている…






「・・・・リボン…」





ミホ「あっ!紐パン初めて?笑」





「・・・紐パン…ですか?」





サイドをリボンで結んで止めるデザインらしく

可愛いなと眺めているとベッドの上に

キャミソールと紐パンを並べて

「見ててね」と言ってキャミソールの

胸元にあるリボンをシュッと解いて

少し下のリボンもシュッと解くと…





( ・・・・えっ… )





キャミソールは真ん中二つのリボンを解くと

カーディガンみたいに前が真っ二つに別れ

「コレ…」と小さく呟くと

「更に!」と美保さんは下の紐パンに手を伸ばして

サイドのリボンをシュッと解きながら

「いやんッ!」と言って下着の機能を無くした

紐パンを指差して…





ミホ「名付けてプレゼントは…ワタシよ下着!笑」





「・・・・・・」





見た目は…凄く清楚な感じで可愛いのに…

美保さんの解説を聞いた後じゃ

あの赤い下着の何倍もエッチに見える

この下着に固まっている…






ミホ「あっ!一回も使った事ないから安心して

  笑実ちゃんとカオルの思い出に使ってね?笑」





「・・・あっ…あの…下は…」





ミホ「ん??」





「ぶっ…ブラは…」





ミホ「コレは…そう言うランジェリーだから…

  リボン解かれたら直ぐに中身なの…笑」





「・・・・なか…み…」






キャミソールと紐パンを

見えない紙袋に入れてもらい

重い足取りで自分の部屋に帰ると

カオル先輩達はまだ片付けながら外で

先輩達と飲んでいるようで

今のうちにシャワーを浴びて

美保さんから貰った下着を身につけた…





「・・・・はぁ…これ…大丈夫かな…」





脱衣室の鏡に映る自分を見て

キャミソールから薄っすら透けて見える

自分の胸元が余計に恥ずかしくなり

動けないでいるとガチャッと脱衣室の扉が開き

「えっ…」と顔を向けると

アキラ先輩と来ていた綺麗なお姉さんが立っていた





ユナ「・・・・・・」





「・・・・こんばんは…」





お姉さんも驚いて何も言わないまま

固まっていて口から咄嗟に挨拶がでてきた…





ユナ「・・・ぷっ…こんばんは…笑」





お姉さんは笑いながら返事をしてくれて

脱衣室に足を入れて扉を閉めると

着替えをカゴに入れているから

シャワーを浴びに来たんだと分かり

「直ぐでますね」と慌てて

部屋着用に持って来ていたワンピースを着ると

「ゆっくりどぉぞ?笑」と後ろで笑っている…





シャンプーや化粧水などをポーチに詰め込み

「失礼しました」と出て行こうとすると

閉める扉から「楽しんでね」と言う声が聞こえ

一気に恥ずかしくなり階段を走って登って行き

自分の部屋に逃げる様に入っていった





( ・・・・やる気…満々に見えたよね… )





アキラ先輩に言わないかなと

頭を押さえながらベッドへと倒れ込み

どうしようと考えている間に…

寝てしまっていた…









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