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〈エミ視点〉
カオル先輩に…嘘を吐いた…
旅行の荷造りをしている時に
「そろそろ生理じゃない?」と聞かれ
「実家に帰ってる時に…早く来て…」と…
カオル先輩はジッと見つめてきた後に
「良かったね」と笑ってくれたけど…
( ・・・・言いにくいもん… )
本当は詩織ちゃんからピルで
生理を遅らせられると教えてもらい
地元の産婦人科に詩織ちゃんについてきてもらい
ピルを処方してもらった…
帰って来た日も
カオル先輩はキス以上の事をしてくれなくて…
1ヶ月近く何もない事に不安は募っていき…
( 付き合い初めてから…初めてだ… )
一週間位…生理で何もしない事はあっても…
それ以上なにもないのは初めてで
自分の貧相な身体に飽きちゃったのかなと
暗い考えばかりが過ぎっていく…
カオル先輩は水着姿の私を見ると
パーカーを着るように言い出し
川に着いてからも
「脱いじゃダメだよ」と言って
ヒョウ先輩達がパーカーを脱ぐように言っても
「脱いだら門限延長だからね」と言ってきて…
( 胸が…小さいから恥ずかしいのかな… )
カオル先輩は「おいで」と言って
川の中に私を入れるといつもの様に笑っていて
濡れて顔に張り付いた髪を耳にかけながら
優しく見つめてくれるけど
どうして触れてくれないんだろうと
やっぱり不安がよぎり…
他の先輩達もいる川の中で
触れて欲しいと思う自分に怖くなってきた…
アキラ「水着も地味かと思えばパーカーかよ?笑」
アキラ先輩の声に振り返ると
黒い網目の水着を着た
綺麗なお姉さんと歩いて来るアキラ先輩を見て
ジン先輩の言っていた
特定の人かなと思い眺めていると
カオル「早い登場だね?笑」
アキラ「一応キャンプに来てるからな
川くらい入りてーし」
アキラ先輩の隣りのお姉さんは
あまり話さないけど仕草や表情が
ここにいるお姉さん達の中でも1番お姉さんで…
なんて言うか〝大人〟の雰囲気だった
アキラ先輩は年上が好きだと聞いていたし
きっと今隣りにいる様な
お姉さんが好きなんだろうなと思い
どうして年下の沙優ちゃんと
会っていたんだろうとふと疑問に感じた…
( ・・・・好き?だったのかな… )
急に脇の下にカオル先輩の腕が入ってきて
驚いていると「もう少し深い所に行こうか」と
私を抱き上げて奥の深せに歩いていき
水の中で重なる身体が嬉しくて
カオル先輩の首にギュッと抱きつくと
「足つかないから離しちゃダメだよ」と
抱きしめてくれる先輩に
「寂しいです…」と呟いた…
「・・・・寂しいです…カオル先輩…」
カオル「・・・・・・」
先輩の肩近くまである川の水の音が
バシャバシャと聞こえる中「笑実ちゃん」と
小さく呼ばれ顔を肩から離すと
カオル先輩の顔が直ぐ側にあり
「おいで」と言う先輩の言葉に従って
自分からキスをした
「・・・今日は…」
カオル「・・・・・・」
「今日はおやすみなさいは言いたくないです…」
カオル「・・・・言いたくない…ねぇ…」
カオル先輩の濡れた前髪が少し前に垂れていたから
片方の手を離して先輩の前髪が後ろへとやり
いつも先輩がしてくれる様に髪を耳にかけた
「・・・・どうして意地悪するんですか…」
カオル「・・・・・・」
カオル先輩の顔を見て
ワザとそうしてくれないんだと分かり
そう問いかけると先輩はジッと目を見てきた
カオル「カオル先輩は…意地悪だからね…」
「・・・・・・」
カオル「両隣りにも…向かいの部屋にも
アキラ達がいるけど?」
「・・・・・・」
カオルル「声我慢できる?」
「・・・・・・」
カオル先輩は顔を私に近づけると
耳元に唇を寄せて
カオル「前みたいに
笑実ちゃんが誘ってきたらいいよ?」
と囁く様に言ってきて…
私のトランクの中にある下着の事も
知っているんだと分かり
「本当に意地悪です」と言って
また自分からキスをした…
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