〈シュウ視点〉








隣りの棟からゲラゲラと笑いながら戻って来た

ヒカル達から笑実ちゃんが唇を尖らせていたと聞き

やっぱりなと思いながらもスマンとしか言えない…






ヒカルの連れて来た女の子が

買い忘れた物があるから

コンビニに寄ってほしいと言い出し

「降りて来ないで」と俺達に念押しをしてから

女の子達だけで降りて行き

「カミソリか?」と車の中で

ヒカルとヒョウと3人で笑っていると






ヒョウ「部屋割りさ…不味くない?」





シュウ「何がだよ?笑」





ヒョウ「いや、チワワが横の部屋にいると思うと

   少しやりにくいんだけど」





シュウ「・・・・・・」






ヒョウの言葉に一瞬(そうか?)と疑問に思ったが

ヒカルも眉を寄せて考えながら

「なんか妹に変な所見られました感あるな」

と言い出し俺も…

自分の眉間にシワが寄ったのが分かった





( ・・・・確かにな… )





笑実ちゃんの前でそんな姿を見せた事はないし

どちらかと言うとふざけて騒いでる事が多い…





ヒョウ「・・・・チワワもさ声とか聞こえたら

   先輩達こんな事するんだとか思うよね…」






シュウ「・・・・気まずいな… 」






カオルの彼女と言うよりも

昔から可愛がっている近所の子の様な

雰囲気に近い笑実ちゃんに…

そんな行為をしている横の部屋や

廊下を歩かれると思うと

ソワソワとする自分がいた…





ヒカル「そんな事すんのに笑実ちゃんに

   甘いカレー作ってなんて

   甘えてるヒョウを想像するとウケるな?笑」





ヒョウ「部屋割り変えよう!」






きっと笑実ちゃんやサトルは

不満を言い出すだろうと思ったが

せっかくの楽しいキャンプだし

遠慮なく楽しむ為に車の速度を上げ

早足に手前の建物に駆け込み

先に着いていたユウト達と部屋を埋めた





サトルやアキラ達は

笑実ちゃんとそこまで深い交流もないし

遠慮する事もなく夜を楽しめるだろうと思い

コウに関しては何とかなるだろうと思う事にした






シュウ「よぉ!着いてるらしいな?笑

   先に川で泳ごうって話してるけど」






カオルに電話をかけてそう言うと

電話の向こうのカオルは楽しそうに笑っていて

「うちのお姫様がご立腹だよ」

と対して気にしていない様子だ






シュウ「お姫様には苺のジュース買ってやるから

   今回は許してくれって伝えててくれよ」





カオル「まぁ…俺も助かるしね…笑」





シュウ「助かる?」






カオルは「コッチの話だよ」と笑っていて

川に行く準備をするよと電話を切り

俺は少し首を傾げながら

スマンをポケットへとしまい水着に着替えた





川に行くと…

サトルが言っていた通り…





( ・・・・まぁ…そうなるよな… )





俺を含め大きい胸が嫌いな男なんて

そうはいないだろう…




俺の隣りに立っている子も

ヒョウやヒカルが連れて来た子達も…

皆んな水着から見える谷間は深く…





ミホ「笑実ちゃん遅いね?」





ユウトと一緒に現れた美保ちゃんも

赤いビキニを着ていて

「久しぶり」と近づいて来た






サトル「まぁ、気持ちは分かるけどな?笑」





ミホ「また笑実ちゃんを虐めてるの?」





サトル「虐めじゃねーよ!事実を言っただけだよ!」






サトルの言葉に

ユウトはヤレヤレとでも言う様な顔で

先に川に入って泳いでいるツカサや女の子達に

目を向けて「アキラも来てないね」と言った





サトル「アキラは…楽しんでから来るんだろ?笑」





シュウ「・・・・楽しんでんな…笑」





サトル達と話していると

横にいたメイちゃんが「早く入ろうよ」と

腕を引いて来て「そうだな」と川に入ろうとすると

ヒョウの声が聞こえて振り返った





カオルと一緒に来た笑実ちゃんは

大きめのパーカーを着ていて

誰の物かも分かりカオルに目を向けて

「大事、大事ってやつか」と小さく呟いた





アキラが何度かそう呟いていたのを思い出し

口にしてみたが妙にしっくりくるなと思い

小さく笑って見ていると

川から上がって来たヒョウが

笑実ちゃんとカオルに何かを言っているようだ






ミホ「チョット!カオル!

   私たちが選んだ水着見せない気?」






後ろにいた美保ちゃんも

笑実ちゃんの方に歩いて行き

着ているパーカーを脱がせようとすると

カオルが手で遮っている…






ヒョウ「チワワの水着選び大変だったんだよ!」





ミホ「そうよ!!アタシの休憩時間全部使ったのよ!」





ヒョウ「身長もないし、胸もないから

   ワンピースだと幼児になるし…

   とにかく苦労して選んだんだから

   ちゃんと皆んなに見せてよね!」






聞こえてくる会話が余計に

笑実ちゃんを晒し者にしていて…

俺の隣りのメイちゃんも笑っている…





どんな水着を選んだのかは分からないが

カオルはパーカーを脱がせる事なく

笑実ちゃんはずっとパーカーを着たまま

川で遊んでいた
























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る