キャンプ

〈アキラ視点〉








レンタカーから降りると

先に着いてた車から手前のバンガローに

入って行った様で部屋割りした意味ねーなと

軽く舌打ちをしながら荷物を降ろした





少し離れた方のバンガローに行くと

サトルの声が聞こえて来て

また小さくタメ息を吐き扉を開けると

カオルの背中に引っ付いて唇を尖らせている

ペットの姿があった






( 部屋割り意味ねーな… )






ペットは俺とジンに気づき更に眉を下げたから

慣れたヒョウ達が良かったんだろうと思い

奥で苦笑いをしているコウと目を合わせ

お互いタメ息を吐いた





ユナ「ねー部屋どこ?」





アキラ「あー…部屋は空いてる所勝手に使うぞ?」





ユナを連れて2階に上がると

ジンも自分の連れて来た女の荷物を持って

部屋に上がって来ていた





ジンが連れて来た女もサトルやコウの隣りにいた女も

何となく見たことのある女達で

いつぞやの合コンに来てた女達だろうなと思い

一人だけ毛並み違いな雰囲気のカオルのペットの

顔を思い出し「ふっ…」と笑った





( 相変わらず1番地味だな… )





部屋に着き荷物を置くと

「疲れた」と言って窓を開けて直ぐに

タバコを取り出すユナに「火貸せよ」と言って

ユナの手にあるライターにタバコを咥えて近づくと

窓の外からヒョウ達が歩いて来る姿が見えた





アキラ「ヒョウ!」





ヒョウとヒカルは顔を上げて

「着いてたのか」と手を上げてきたから

「部屋割りはどうした?」と2階から叫ぶと

「早いもん順だろ」と笑ってやがる…





ヒョウ「カオル達は?」





アキラ「下で不貞腐れてるぞ?笑」





俺の答えに誰が不貞腐れているのか

分かった様でゲラゲラと笑いながら

一階の玄関へと歩いていく二人を見て

「ふぅー」とタバコを吐き出すと

ユナが俺の顔をジッと見ている事に気づいた






ユナ「珍しいね?」





アキラ「何がだよ?」





ユナ「アキラがそんな風に笑ってるのが?笑」






ユナはクスリと笑って携帯灰皿に

自分の灰を落としながら

「可愛い一面もなんのね」と言って

年上の余裕の様な笑みを浮かべている





( こうゆう女の方が楽だ… )





飲み会なんかに来る

口のうるせー女達よりも

ある程度分かった上で会った時に

お互い楽しめる女の方が俺には合ってる…





アキラ「ユウトの連れが同い年位のはずだ」





ジン達が連れて来ているのは22〜23歳位の

女達だろうし25歳のユナとは微妙に話も

雰囲気も合わないだろうと思い

タイプは違うがユウトの女とは同い年だし

多少は気が紛れるかと思いそう伝えると





ユナ「あんまりアタシは気にしてないけど?笑」





そう笑いながらタバコの火を消すと

俺のタバコを取り上げて携帯灰皿にしまった






ユナ「アタシは…

  アキラと楽しめたらいいんだから」






俺の首に腕を回して

チラッとベッドの方に視線を送るユナに

やっぱりいい女だなと思い

ユナの誘いに乗って

腰を抱き寄せながらキスをした






「私…アキラ先輩の事…好きです…

  意地悪で失礼で…直ぐ睨みますけど…

  本当は優しい先輩だから…」






( 俺が優しい先輩…何言ってんだ… )






「でも…沙優ちゃんの友達としては嫌いです…」






あの夜の事を思い出し

俺は優しくもないし最低な先輩だから

嫌ったままでいろと思いながら

ユナをベッドへと倒した











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