警告…

〈エミ視点〉










( ・・・・・・ )





目を覚ましてスマホのアラームを止めると

腰をギュッと抱き寄せられ

「おはよ…」と寝起き声の

カオル先輩の声が聞こえてきた





「おはようございます」と言って

先輩の方を降り向こうとすれば

抱きしめている腕が更に強まり

サイズが大きく広くあいた襟元に

先輩の顔が近づいてきたのが分かり

「先輩ッ!」と腰にある手を軽く叩くと…





カオル「・・・・6時間前とは違う反応だね?笑」





と楽しそうな声で話ながら

脇腹部分から服の中に手を滑り込ませてきた





「・・ッ!・・今は朝です…せっ…ぱい…」




カオル「ふふ…部屋は暗いよ?笑」





首筋に温かい感触を感じ

自分の身体が数時間前を思い出して

反応しだしているのが分かり

やめる様に言うけれど

カオル先輩は遮光カーテンで暗い部屋の中で

笑って揶揄い続けている…



 



カオル「学校行かせたくないね…

   今日はこのままベッドで過ごそうか?」






先輩は手を下着しか身につけていない

私の下半身へと伸ばしていき

ソッと手を当てて優しくなでてきた





「カ…ルッ…せん……ぃダメッ…」




カオル「でも……笑実ちゃんのココは…

    ダメじゃないみたいだよ…」





下着から伝わる私の状態に気を良くした先輩は

撫でる力を少し強めてきて

本気で学校を休むつもりなんだと分かり

私も…学校に行かずにこのまま

先輩の腕の中で甘い夢を見ていたかった…






( ・・・・だけど… )





「今日は…大事な小テストが…あって……」





今日の朝一番の講義は3回目の

欠席記録がついていて休むわけにはいかなかった…




私の言葉を聞くと先輩の手は離れていき

少し寂しさを感じながら

ベッドから起きようと上体を起こすと

カオル先輩も上半身裸の身体をベッドから起こし…





カオル「今日は早めに夕飯終わらせようか?」





と言われ顔も身体もグッと熱くなった…

先輩の言っている意味が分かり

「はい…」と俯いて答えると

クスッと笑う声が聞こえてきた後に

ポスっとベッドに横になる音も聞こえた





カオル「俺は2限目からだし

   夜に備えてもう少し眠るよ?笑」





「スケベな先輩です」と言って

タオルケットを先輩の頭まで被せてから

「おやすみなさい」とスマホを握って 

リビングの方へと向かった




シャワーを軽く浴びて身支度を済ませて

バックに教科書をつめながら

カレンダーへと目を向けて

あと1ヶ月とちょっとで

長い前期授業も終わるなと思い

「ふぅ…」と息をついてた





( ・・・・あと少し… )





そう思いながら玄関の扉を開け

エレベーターの中で「あっ!」と

カオル先輩の朝ごはんのメモを

書いて来るのを忘れた事を思い出し

バックからスマホを取り出して

しばらくスマホの画面を見つめた…





【 学校に来ちゃダメ 】






送り主は沙優ちゃんからで

1ヶ月以上全く連絡を取っていなかった

沙優ちゃんからのこのLINEが

大きな意味を持っている事も理解できた…





( ・・・・・・ )





今日学校に行けば…

私は…多分泣く事になるだろうなと思った…

だけど講義を休むわけにもいかないし

今日休んでもまた明日がやってくる…





「嫌な事なら…早く終わらせたい…」





エントランスを抜けて

カオル先輩の部屋のある方に顔をむけ

「行ってきます」と呟き

肩にかけてあるトートバッグの肩紐を

ギュッと強く握りながら学校へと向かった





この日…

沢山のクラスメイト達の前で…

沢山の…涙が自分の頬をつたった…












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