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〈サユ視点〉
サユ「・・・・あっ…」
学科の教授から欠席確認のメールが
送られてきていて少しホッとした…
クラス全員分の名前の後ろに
欠席回数が表示されていて
笑実ちゃんの名前の後ろに「3」と
書かれているのを見て
小さく安堵のタメ息を吐いた…
サユ「だけど後2回休んだら…」
あのキツイ中でも毎日…
全教科出席しているのに
欠席扱いになっていたなんてと
肩を落としながらも
皆んながまた何か細工するんじゃと
怖くもなった…
きっとこのメールを見て
笑実ちゃんも驚いているはずだ…
サユ「・・・なんでここまでするのかな…」
人の嫉妬心の怖さを感じ
自分の膝を抱きしめながら
カレンダーに目を向けて
まだまだ遠い夏休みにまたタメ息を吐いた…
次の講義からは
笑実ちゃんは講義後に先生のとこのに
直接行き自分の名前を書いているのを見て
良かったと思いながら
後ろから聞こえてくる会話に
俯いて鞄に教科書をしまった
帰りにスーパーへと寄ると
隣りの学科の子達が私の横を通り過ぎながら
「アキラ先輩から睨まれなかった?」と
聞こえてきて(え?)と思い
さっきの子達が歩いて来た方に小走りで向かうと…
( ・・・・笑実ちゃんと…アキラ先輩… )
角を曲がった先には
笑実ちゃんに笑顔を向けている
アキラ先輩の姿があって…
サユ「・・・・あの笑顔は… 」
私と話していて笑うのは…
決まって笑実ちゃんの話をしてる時だった…
サユ「笑実ちゃんに向けての…笑顔だったんだ…」
店の奥に歩いて行く
笑実ちゃんの隣りを歩きながら
揶揄っているような仕草や表情をしている
先輩を見て「いいな…」と呟いた…
さっきの子達を睨んだのは
目の前で笑っているアキラ先輩で
睨んだ理由はきっと
笑実ちゃんなんだろうと思った…
サユ「・・・・笑実ちゃんは…いいなぁ…」
大好きだったカオル先輩からは
「好き」と言って貰えて大切にされていて…
私が会いたいシュウ先輩には
簡単に会えてきっと…
可愛がってもらっていて…
サユ「・・・・アキラ…先輩…まで…」
私が可愛い下着をつけていても…
笑顔が見れたと喜んでいても…
アキラ先輩には特別意味はなく
シュウ先輩の時と同じで
ただの、その他大勢の一人なんだと思った…
私は何も買わずにそのまま走って帰って行き
つい1時間前までは里奈ちゃんや
クラスの子達に「怖いな」と感じていたけど
皆んなの気持ちが少し分かる気がした…
サユ「・・笑実ちゃんばっかり…ずるいよ…」
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