内緒

〈エミ視点〉









【 明日久しぶりに4人でカラオケに行こう 】





「・・・・えっ?」





久しぶりに亜香里ちゃん達との

4人のグループトークに

メッセージが届いていて驚いた…





( ・・・・許してくれたのかな… )





明日はカオル先輩がシュウ先輩達と

出掛ける事になっていて

一緒においでと言われていたけれど…




里奈ちゃん達と仲直りが出来るなら

カオル先輩達には断ってカラオケの方に行こうと思い

お風呂から出てきた先輩にそう伝えると

楽しんでおいでと頭を撫でながら

「羽目は外しすぎないでね」と言われた





「ふふ…先輩もですよ?」





カオル「外したらまた…

  詩織ちゃんに怒られそうだからね?笑」






公園を散歩している時にカオル先輩が

トイレに行って中々戻って来ず…

顔を向けたら女の子二人に声をかけられていて





シオリ「ダメです!道案内なんてダメです!」





「しっ…詩織ちゃん」





シオリ「私が案内してあげますから

   カオル先輩は笑実といてください!」






詩織ちゃんは顔を赤くして怒りだしていて

詩織ちゃんの彼氏のヒロ先輩も笑っていた…






カオル「私が案内しますからって…

   コッチの地理全く分かんないのに…笑」






カオル先輩もあの日の事を思い出した様で

濡れてワックスの取れた前髪をかきあげながら

楽しそうに笑っていて…






カオル「詩織ちゃんは笑実ちゃんよりも

   1ヶ月お姉さんだから妹が心配なんだね?笑」






後ろの冷蔵庫から炭酸水を取り出している

先輩の背中を見つめながら

詩織ちゃんとの電話を思い出した…






シオリ「最初ね…カオル先輩見た時に

   大丈夫かなって心配したの…」





「えっ?」






シオリ「だって凄いモテそうだし

   ナンパ目的の女の子に道案内しようとするし…」





「・・・・・・」





シオリ「でもね…帰る前に釘さされちゃって?笑」





「くぎ??」





シオリ「そう!!」

   





「笑実ちゃんも飲む?」と

ペットボトルを差し出してきた先輩の顔を見上げて 

「ふふ…」と笑うと先輩は

腰を曲げて私の顔を覗きこんできた





カオル「なんで笑ってるの?笑」





「・・・・内緒です…笑」






詩織ちゃん達を駅まで見送ると

思い出に何か買って渡そうかと言われ

私がお土産売り場を見ているあいだに

カオル先輩が詩織ちゃんに

そっと近づいて行ったみたいで…






カオル「笑実ちゃんに二度と…

   紹介の話なんてしちゃダメだよ?笑」






と小声で言うとニコニコと笑って

私の方へと歩いて行ったらしい…






シオリ「あれを聞いてなんか…

   大丈夫かなって一気に安心したかも?笑」






去年の夏の話をカオル先輩が覚えていたんだと

私も少し驚いたけれど…






カオル「内緒?隠し事するような子になったの?笑」


 




カオル先輩は…

付き合う前から紹介の話や…

ダイキ先輩との事を怒ったりしていて…






シオリ「カオル先輩の方が…

  笑実の事大好きなんだなって思ったよ

  いい人見つけたね?笑」






私の大切な友達が…

私の…大好きなカオル先輩の事を

いい人だと言ってくれて

凄く嬉しかった…

   











  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る