今だけは…

〈エミ視点〉







カオル先輩とマンションに帰り着くと

先輩はお風呂のお湯はりボタンを押して

着替えを手に取ると「おいで」と言って

脱衣室に連れて行くから

一緒にお風呂に入るんだと理解した





カオル「明日も一限目からだったね?」





そう言いながら綺麗な水色のセーターを

パサッと脱ぐと少し乱れた髪を手で

軽く整えて「脱ごうか?」と

私の服のボタンを外しだした





( ・・・・・・ )



 


屈んで洋服を脱がせてくれる

カオル先輩の顔を見つめていると

「ん?」と顔をあげて

どうしたのと微笑んだまま

首を傾けている






「ふふ…あざとい先輩も好きです…笑」





カオル「あざとい?笑

  今日は朝から生意気だからお仕置きが必要だね?」






カオル先輩がお風呂で私を抱いてくれる時は

優しくて…途中で寝てしまう事もない…





( 明るいのは恥ずかしいけど… )





ベッドの上で抱いてくれる時は

寝てしまう事も多く…

途中からはカオル先輩が何を言っているのかも

聞こえなくなるくらいに…


  


自分でもおかしくなっちゃうんじゃないかと

怖くなるくらいにカオル先輩のくれる

激しい快楽に溺れていってしまう…




お風呂場での甘い時間に身体中が

ポカポカと熱くなっていて

着替えをすませてリビングに行くと

カオル先輩が笑いながら

「何か飲む?」と聞いてきた




グラスに注がれて出された

冷たい炭酸水を飲むと炭酸の刺激が

喉から全身に響いていき

のぼせていた頭が少しスッキリとしていく





カオル「ふふ…明日も学校だから

  いつもより優しくしたつもりなんだけど?」





「・・・・・・」





お風呂場では滑るし…

直ぐにのぼせてしまう私に気を遣って

先輩がいつも加減してくれているのは

分かっていた…





( ・・・・でも… )






カオル「髪の毛乾かしたら寝ようか?」





時計を見るといつの間にか日付けは変わっていて

あと6時間もすればアラームの鳴る時間だった





歯磨きをしながら先に寝室に行く

先輩の姿を見送ってから

脱衣室の棚の方に目を向けて

手を伸ばしてある物を取り出した…





( ・・・・今日は… )





寝室に行くと先輩はスマホを見ていて

部屋の照明をパチンと切ると

暗くならないようにとベッドについている

サイドランプをつけてくれて

「何時に起きるの?」と

問いかけてきている…






「・・・明日は…7時前に起きます…」




カオル「早いね」





春休み中は夜更かしをして

朝8〜9時までゆっくりと寝ていたから

今日の朝、一人で先にベッドから出るのが

寂しかったけれど…




スマホをヘッドボードに置いて

「おいで」と言う先輩の声を聞き

自分の着ている部屋着の裾をギュッと掴んでから

先輩のいるベッドへと近づき…

そのまま寝ている先輩の上に跨った…





カオル「・・・・・・」




「・・・・・・」





先輩は初め驚いた表情をしていたけど

私の顔を見ると何も言わずに

下から見上げている…




自分の手をトップスの裾へと持っていき

少し手が震えているのが自分でも分かったけれど

誤魔化す様に洋服をギュッと掴むと

そのまま上に持ち上げて

脱いだ洋服を隣りに置いた






「こんな下着…着れませんよ!」





ヒョウ「えー…チワワみたいなタイプは

   絶対に1着は持っておくべきだよ」





「私みたいなタイプには無縁です!」





ヒョウ「だって…抱いてってカオルに言える?」





「・・・・へっ?」





ヒョウ「ほら、言えないでしょ?

   でもコレがあれば大丈夫!笑

   この下着を着てカオルの前で脱いだら

   カオルも分かってくれるから!」






なかば強引に買わされた下着だったけれど…

今日は…今日だけは優しくじゃなくて

おかしくなる位の…

甘い刺激が欲しかった…




普段、自分では絶対に買わない様な

真っ赤な少し…エッチなデザインの下着で…

こんな格好で先輩に跨っている自分がいるなんて

今日の朝までは…想像していなかった…





カオル先輩は何も言わないまま

ゆっくりと上体を起こすと

私の胸元にかかっていた髪を後ろの方へとやり

ヒョウ先輩の選んだ下着を見ていた…





カオル「・・・・どーしてほしいの?」




「・・・・・・」





カオル先輩の声はいつもの優しい口調ではなく

怒っている感じとも違っていて…





カオル「言わなきゃ分かんないよ?」




「・・・・・・」





髪を耳にかけてくれながらも

私の耳を指の先でわざと刺激してくる先輩には…

きっともう…分かっているんだ…





カオル「言ってみなよ…

   笑実ちゃんのお願いなら…なんでも聞くよ」





「・・・・きょ…今日は…

 おやすみなさいは…言えなくて…いいです…」






そう言うとカオル先輩はジッと私の目を見て

「手加減しないよ」と言って

耳を撫でていた手を頭の後ろに回すと

グッと私を抱き寄せてお風呂場での

優しいキスとは違った苦しいキスをしてきた…



 




カオル「直ぐにはとばさせないからね」






唇を離してそう言うとサイドランプを消して

私の望んだ通りにカオル先輩の事以外…

何も考えられなくなる位に

激しく壊してくれた…






( ・・・・今は…何も考えたくない… )









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