おはよう

〈エミ視点〉








「・・・・・・」





コウ「おっ!起きたか?」





先輩達の顔が横向きに見えているから

私の体が横になっているんだろうなと

ぼんやりと考えていると

「ふふ…まだ寝ぼけてるね」と

カオル先輩の声が聞こえてきた






「・・・・・・」





カオル「おはよう、笑実ちゃん」






キッチンの方から歩いてきて

しゃがんで私の顔を覗き込んできた

先輩の顔が目の前にあり

綺麗な顔だなと見ていると





アキラ「おい!早く起きろ」





アキラ先輩の声も聞こえてきて

なんでここにいるのかを段々と思い出してきた





腕に力を入れて体を起こし

カオル先輩に「おはようございます」と言うと

先輩は「おはよう」といつもの笑顔で答えてくれて

たった2日しか離れていなかったのに

先輩の「おはよう」が久しぶりに感じた…






アキラ「お前にはカオルしか見えてねーのか?」




ヒョウ「チワワはカオルのチワワだからね?笑」






先輩達は皆んな起きていて

何人か姿が見えないから帰ったのかなと思っていると

「寒すぎるだろ」と玄関からガヤガヤと

数人の声が聞こえてきてカオル先輩の横に座って

顔を向けているとドアからジン先輩達が入ってきた





シュウ「やっと起きたな?笑」





サトル「お前一番下のくせにいつまで寝てんだよ」





サトル先輩が眉を釣り上げて

「後輩ってのはな先に起きるんだよ」と

お説教みたいな事を言い出したから

「すみません」と言ってカオル先輩の陰に隠れると

いつもの豆乳ジュースが差し出された





( ・・・・また? )





顔を出して豆乳ジュースを差し出している

人物をみるとツカサ先輩で「ほら…」と

眉を下げている…






サトル「もう話もついたんだから  

   気にしなくていいって言ってんのに…」





コウ「お前がなんで偉そうなんだよ?笑」






ツカサ先輩は最初に会った時よりも

だいぶ…印象も変わり私に気をつかっているのが

すごく分かり少しだけ申し訳なく感じる…





「ありがとうございます…」





確かにまだ…ツカサ先輩は好きじゃないし

二人っきりとかにはなりたくないけれど…





サトル「少しは成長したのかよ?」





上から私の胸元を見下ろして

こんな事を言ってくる

サトル先輩の方が苦手だった…






( イヤラしいとかじゃなくて…キライ… )





ヒョウ「でも夏までには成長しないとね?」






ヒョウ先輩の言葉に

「夏ですか?」と聞き返すと

ヒョウ先輩は大きく頷いて

「水着どうすんの?」と

真顔できいてきた…





「・・・・・・」






ヒカル「今年はキャンプにも行きたいし…

   夏までに目指せCだな?笑」





ヒョウ「浴衣の時みたいに選んであげるから

   せめてCにはなっててもらわないと

   デザイン狭まるからさ?」





「・・・・・・」





カオル先輩は変な所では凄く怒るのに

先輩達が私の胸をこんな風に揶揄う事には

全く怒ってくれなくて…

それどころか肩を震わせて笑っている…





( ・・・・なによ… )






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