赤点

〈エミ視点〉









「・・・課題ですか?」





ヒョウ「そう!この教授は試験代わりに

    課題提出なんだよ

   で、締め切りが明日だから

   バタバタと仕上げてるってわけ」





先輩達のコーヒーを煎れていると

「俺だけはココアにして」とヒョウ先輩が

キッチンに走ってきて

コーヒーを煎れるのを手伝ってくれながら

今している課題について説明してくれたけど…







( ・・もっと早くにすればいいんじゃ… )






ヒカル「課題終わらねーから他の試験勉強

    全然出来ねーし再試になりそうだよ…」





コウ「笑実ちゃん達は昨日で終わったんだろ?

   出来はどうだったんだ?赤点はなしか?笑」






「赤点は…多分…大丈夫です…」






そう言いながら煎れたコーヒーを

皆んなに配って行きカオル先輩の前にもそっと置くと

「赤点ないの?」と笑って問いかけてきた

カオル先輩に「多分…はい…」と答えると

「ふふ…」と笑いながら「楽しみだね」と言われ

試験中にカオル先輩と約束した事を思いだした…






試験勉強を夜中までしていて

頭がボーッとしだして

熱いコーヒーを飲んで目を覚そうと

立ち上がってキッチンへと行くと

冷蔵庫に付箋が貼られている事に気付き

手に取ってみると…




《 眠くなったら冷凍庫のアイスを食べてね 》





「アイス?」と呟きながら

冷蔵庫を開けてみると

私の好きなハーゲンダッチョの

ストロベリー味のアイスが入っていて

カオル先輩が買ってくれていたんだと分かった




確かに冷たいアイスを食べたら

目も覚めそうだなと思いチラッと時計を見ると

もう直ぐ2時半になろうとしていて

1時過ぎに寝室に行ったカオル先輩は

もう夢の中だろうなと思い…




( ・・・・ちょっとだけ… )





カオル先輩の寝顔を少しだけ見たくなり

そっと寝室のドアを開けて中を覗くと

真っ暗で小さな寝息が聞こえていた




笑った顔の先輩も可愛いけど

寝ている時の無防備な寝顔も可愛くて…

先輩の髪を軽く撫でてから頬に唇を当てると

グイッと身体ごとベッドの中に引っ張られ

さっきまで寝ていたはずの

カオル先輩の顔が目の前にあって

「夜這いしに来たの?」と顔を近づけてくるから

驚いて「寝てたんじゃ?」と問いかけると…






カオル「ん?寝てたけど笑実ちゃんが

   勇気出して夜這いしに来たんじゃ

   起きなきゃいけないでしょ?笑」






「よっ…夜這い?」






カオル「寝室に入ってきて

  キスしてくるって事はそうゆう事でしょ?」






そう言って服の中に手を入れてくる

先輩は楽しそうに笑っていて

多分私の事を揶揄っているんだろうけど…





( ・・・・ギュッてしたい… )





先輩の目をジッと見つめて

「そう言う事…です…」と伝えると

先輩は目を見開いて驚いていたけれど

直ぐに私の目を見つめ返してきて

「勉強は?」と問いかけてきた…






「・・・・冷たいアイスを食べて頑張ります…」





カオル「・・・・範囲は終わったの?」






そう問いかけながらも

手は私のボタンを外し出していて

「大丈夫です」と答えたら

「赤点なんか取ったらお仕置きだからね」

と言ってカオル先輩の柔らかい唇の感触を感じた…







カオル「赤点だったらかなりキツイお仕置きだよ?」





「赤点じゃなかったら…」





カオル「赤点無しなら…ワガママ聞くよ?」





「・・・・なんでもですか?」





カオル「なんでもいいよ」





「・・・・・・」





カオル「ん??」





「デ…デートがしたいです…

  手を繋いで…歩きたいです…」






カオル先輩から甘く抱かれた後に

先輩の腕枕の中でそうお願いすると

先輩はいつもの様に笑い出して

「いいよ」と約束してくれた…























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