現実

〈エミ視点〉








もうすぐ始まる後期試験に向けて少し早めに

沙優ちゃんと試験勉強をしていたらお腹が鳴り

コンビニに買い物に行く事にした




サユ「うわ…真っ暗だね?」




「1時だからね…寒い…」




冬の寒さに沙優ちゃんと腕を組んで歩きながら

コンビニの中へと入るとルナ先輩がいて

思わず足を止めてしまった…




ルナ「あっ!カオルのチワワじゃん!笑」




酔っ払っているのか大きな声でそう言うと

顔を近づけてきて「カオルは?」と問いかけてくる

ルナ先輩の吐息はお酒の匂いがして

ヤッパリ酔っているんだと思いながら首を横に振った





ルナ「まっいーや!早く行くよ!」





と言ってお酒とタバコの入った袋を沙優ちゃんに

持たせるとスタスタと歩いてコンビニから出て行ってしまい

「ルナ先輩これ…」と言いながら後を追うけど

荷物を持とうとはせずにコートに両手を突っ込んだまま

歩く先輩は「二人とも現実を見た方がいいよ?笑」と

笑っていて向かっている先がシュウ先輩のアパートだと

なんとなく気づいた…





サユ「荷物置いたら直ぐに帰ろう」





沙優ちゃんが小さくそう呟いたから

コクンと頷いてルナ先輩の後に続いていると

着いた先はやっぱりシュウ先輩のアパートで

先輩達がまたルナ先輩達と仲良く飲んでいるんだと分かり

玄関に買い物袋だけを置いて帰ろうとすると

「えっ?」とヒカル先輩の声がした…





ヒカル「あれ??なんでいんの??」




「あの…」




ルナ「コンビニで会ったから連れて来たのー!笑

  女の子足りなかったしちょうどいいじゃん」





ヒカル先輩の表情は明らかに曇っていて

チラッと寝室に目を向けたから

やっぱり帰った方がいいような気がして

一歩下がるとルナ先輩から腕を掴まれて「早く」と

部屋の中へと連れて行かれた





ルナ「ピチピチの一年生ナンパしてきた?笑」




部屋に入るといつもよりも暗いその部屋に

ドンドン「帰れ」と自分の心の声が言っているような気がした…





アキラ「いや…何でいんの?」





キッチンの方からアキラ先輩の声が聞こえ

顔を向けるとヒカル先輩の様にあまりいい表情はしてなくて

ルナ先輩が奥にいっている隙に帰ろうと

沙優ちゃんの手を引いて廊下に行くと寝室の扉が開いて

シュウ先輩と女の先輩が出てきた…





サユ「・・・・ぁ…」




シュウ先輩は目を見開いて驚いていて

沙優ちゃんも顔を俯けたから

ヤッパリ来ない方がよかったと思った…




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