バイトの先輩

〈エミ視点〉






サユ「おめでとう!」





「明けましておめでとう!笑」





年末年始は地元に帰っていて

お土産を手に待ち合わせをしていた沙優ちゃんに

新年の挨拶をしながら近づいて行った





サユ「先輩達に会うの久しぶりだね…」




「うん…1ヶ月ぶりかな…」





そう話しながら電車へと乗り

ダイキ先輩達の待つ駅へと向かい

「忙しかっただろうね…」と小さく呟いた




私と沙優ちゃんが辞めたのは忙しい12月で

忘年会や飲み会の予約も沢山入っていたから

きっと人手不足で大変だっただろうなと思い

手に握っているお土産を見ながらタメ息を吐いた





サユ「忙しかっただろうけど…

  笑実ちゃんのせいでもないよ

  悪いのは全部あのオッさんなんだから!!」





「・・・・(オッさん…?)」





沙優ちゃんの口から出た言葉になんだか

聞き覚えがあり隣りに座っている沙優ちゃんの

首にあるモノを見つけ不思議に思っていた…




お正月にカオル先輩から「おめでとう」

と電話がかかってきた時に

カオル先輩もシュウ先輩達も帰省するのは来週だと

聞いていたから沙優ちゃんがシュウ先輩に会えるはずはなく…





( ・・・・アキラ先輩? )





アキラ先輩が店長の事を「あのオッさん」

と呼んでいた事を思い出したけど

まさかと思い小さく首を横に振り

きっと地元で良い出会いか何かあったんだと思う事にして

電車を降り待ち合わせをしているご飯屋さんへと向かった





ダイキ先輩達が予約してくれたお店は

個室のあるお店だったようで先輩の名前を伝えると

「お連れ様方お見えになってます」と言われ

奥の部屋に案内された





ダイキ「おっ!来たな!笑」





襖の扉を横にスライドすると

ダイキ先輩の明るい声と笑顔が見えて

少しだけ懐かしさを感じながら中へと入って行き

「すみませんでした」と謝った




レイ「まずは、おめでとうだろ?笑」




サユ「明けましておめでとうございます!笑」





ニコニコと笑う沙優ちゃんも見て私も笑いながら

「おめでとうございます」と挨拶をした





レイ「まっ…なんかあったんだろうとは思ってたけど…」




「・・・・すみません…」




サユ「笑実ちゃんは悪くないんだって!!」





メニューを見ながら辞めたいきさつを

ポツリ、ポツリと呟く様に話していくと

「はぁ…」とレイ先輩がタメ息を吐きながら

テーブルに肘をついている手を額に当てて

呆れた顔をしている





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