〈エミ視点〉









ツカサ「お前またカオルのペットに戻ったらしいな?」





「・・・・・・」





サトル「話しかけんなツカサ…

  またカオルの機嫌そこねたら面倒だ…」





ツカサ「・・・お前のせいで大人数の合コンはなくなるし…」






先輩達の言っている意味が分からず見上げていると

「何してんの?」とヒョウ先輩の声がして振り返った






ヒョウ「またチワワいじめてんの?笑」






ヒョウ先輩は笑いながら近づいて来て

私の隣りに並ぶと「今日は何を言われてんの?」と聞いてきた







ツカサ「元わと言えばお前がカオルに話したりしたからだぞ?

  クリスマスも去年みたいに楽しめなくなったし」





ヒョウ「俺らいなくても

   同じ学部の奴らに声かけたらいいじゃん」

 




ツカサ「パッとしない奴らじゃ相手も寄ってこねーだろ!」






先輩達の会話にどう反応していいのか分からず

目を泳がせながら帰っていいのかなと思っていると

「オイ」とサトル先輩に呼ばれているのが分かり顔を向けた






サトル「カオルの誕生日の件は悪かったけど

  今回の事はカオルにチクッたりすんなよ?」





「・・・えっ?」





ヒョウ「チワワじゃなくて俺が話すかもね?笑

  どーせ今からまた飲み会なんでしょ、早く行ったら?」






サトル先輩達はヒョウ先輩と少し話した後に

コンビニから出て行き

さっきサトル先輩が言っていた

カオル先輩の誕生日の件を

ヒョウ先輩は知っている様だったから

(何で?)と不思議に思い顔を見上げた





ヒョウ「俺も今から飲み会だし、ゆっくり説明は出来ないけど

  カオルの誕生日に来なかった理由は皆んな知ってるし

  カオルは怒って、あれからずっと

  ツカサ達との飲み会には参加してないよ」





「・・・・・・」





ヒョウ先輩はコンビニの壁にかけてある時計を見て

「ヤバイね」と呟き私の肩を軽く叩いてから

サトル先輩達と同じ様に飲み会へと向かって行った…





ヒョウ先輩の行く飲み会には

当然カオル先輩もいるんだろうけど

今は…今日だけはちっとも気にならなかった…





私がサトル先輩達から言われた事に

怒ってくれたんだと知って嬉しかったから…





少しだけホクホクとした気分で

沙優ちゃん達の待っている焼肉屋へと戻ると

「おせーよ」と怒るアキラ先輩に

「すみません」と言いながら顔を見ると

眉間にシワを寄せて「なに?」と言われた…

でも…さっきのサトル先輩達に比べたら少しだけマシに見える





多分アキラ先輩はこの前の事を

サトル先輩達に話していないんだろうなと思い

「焦げる前に食え」と言ってドンドンお肉を焼く先輩に

小さく「ありがとうございます」と言った





( アキラ先輩は怖いけど嫌な先輩じゃない気がする… )






「・・・・今日は飲み会じゃないんですか?」





アキラ「メンバーぶすばっかりだから、肉食ってからゆっくり行く」





「・・・・(性格は良くないけど… )」




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