〈コウ視点〉








数日前にアキラから意味深な言葉で呼び出され

シュウと一緒に出て行き

2時間ほどして戻って来たカオルの腕には

涙の跡をつけた笑実ちゃんの寝顔があり

アキラが電話で言っていた事が頭をよぎり

心配してカオルに目線を移したら「大丈夫だ」と言って

寝室に笑実ちゃんを連れて行った…




何があったんだとヒカル達と部屋で待っていると

シュウと沙優ちゃんも帰って来て

話を聞きながらヒカルやヒョウも目を見開いて驚いていた





ヒカル「沙優ちゃんは何もされなかったの?」





ヒカルの言葉に俺も全く同じ事を思っていた

どちらかと言うと顔もスタイルも沙優ちゃんの方が少しだけ

大人っぽく笑実ちゃんよりも沙優ちゃんに何かしようと

思うのが普通なんじゃないかと思ったから





サユ「私は何も…」





夏過ぎに二人のバイト先に行ったアキラが

違和感を感じた位だから

その店長が魔がさしてなんかじゃなく

ずっと前から笑実ちゃんに変な目を向けていたんだろう…






ヒカル「・・・・ロリコン…とかかな…」





ヒョウ「・・・普通に可愛く見えたんじゃない?

  接していくうちに…顔は…普通に可愛いと思うし」


 




ヒョウの言葉を聞いて

(あぁ!)とどこか納得する自分もいた…

笑実ちゃんは最初こそ田舎っぽい雰囲気の子だったけど

会って知り合っていくうちに妹感覚で可愛いく感じる時もあり

派手なメイクじゃない分オジさん好みだったのかもしれない






ヒョウ「その店長は?」





シュウ「バイトは辞めるしもう会う事はないだろ…

  カオルから派手に殴られたみたいだしな…」






カオルの目にもきっと可愛く映っているであろう

笑実ちゃんは顔を俯かせながら…

「お兄さんはどんな感じなの?」とワザと揶揄い

続けるカオルの質問に「細身で…色白で…」と答えていた


 



( どう聞いてもカオルじゃん!笑 )





カオル「お兄さんに…クリスマスプレゼントあげたいのかな?」





「クリスマスじゃなくて…」





てっきりクリスマスプレゼントかと思っていたから

(アレ?)と思い「何の送り物?」と問いかけると

笑実ちゃんは売り物のニット帽を軽く引っ張りながら

モジモジとしている





「たっ…誕生日だったから…」





10月13日に祝えなかったカオルへの

遅れた誕生日プレゼントを買いに来たんだと分かり

また見ているコッチが照れてしまいそうになる位に

純情なチワワを揶揄い続けるカオルを見てフッと笑った…



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