〈エミ視点〉








ヒョウ「あんなパスタって何?笑」





「・・・・ニンニクがダメだったみたいで…」





ヒョウ「ニンニク??」





「・・・・合コンで…臭い?って…」






不機嫌なカオル先輩と違って

ヒョウ先輩の声はいつも通りに陽気で…

聞かれた質問に答えると

ヒョウ先輩達は笑っているけど

カオル先輩は何も話してくれないままだった…






サトル「こらペット!ペラペラ話すな」





コウ「笑実ちゃんはお前のペットでもないだろうが…」





サトル「ヒョウも呼んでんじゃんッ!」





ヒョウ「ん??俺はカオルの友達だし…

    チワワ呼びだからまだマシだよね?笑」






どんな顔で立ってたらいいのか分からなくて

バックの肩紐を両手で握って下を向いていると

「さっき行ってて」とカオル先輩の声が聞こえたと

同時に右手を掴まれ引っ張られた…




ズンズンと歩いて行くカオル先輩の後ろを

小走りでついて行きながら

「早いです」とも言えず途中何度か躓きながらも

先輩から引っ張られ自分のアパートの部屋に着くと

手は離され変わりに両頬に先輩の両手が当てられ

「俺、今かなり機嫌悪いよ」と怖い顔で見下ろされている…






カオル「サトルには腕掴まれてるし

  バイト先にアキラ達が来てたなんて話もしらないしね…」





「・・・・・・」





カオル先輩とはあの散歩をした日以来会えてなかったから

知らないと言われてもと思っていると





カオル「ちょっと目を離したら他の犬達とじゃれてるし…」





「・・・・あれは…」





カオル「口答えもするようになったし…

  ホント…躾する時間をちゃんと作らないとダメだね」





カオル先輩は私の唇を少し噛むと

「誰のペットか忘れちゃダメだよ」と言って

前回よりも長くて苦しいキスをしてきた




途中苦しくなり先輩の背中を叩いたけれど

やめてくれず息苦しさから視界が少しだけ歪み

唇がやっと離されたかと思ったら

耳たぶに痛みを感じカオル先輩が噛んだのだと分かった





カオル「お仕置きなのに喜んじゃダメだよ?笑」





そう耳元で囁くと耳に温かい何かが

クチャっと入ってきて「ャッ…」と身体をよじると

「コラ、逃げないの」と言われ

カオル先輩の機嫌が直るまで

玄関の壁に背中を預けたままジッと耐えていた…





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