約束

〈エミ視点〉











サトル「おいコラ!ペット!」






学校をでて里奈ちゃん達と逆方向のアパートの私は

一人で歩いて帰っていると

聞いた事のある声に嫌か予感を働かせながら

顔を向けると信号の向こうにアキラ先輩達が立っていて

あの日一緒に来ていた先輩が怖い顔をしていた…






( ・・・あっ!? )





カオル先輩に話していない事を思い出し

謝ろうと思ったけれど…





サトル「お前のせいで…とにかくそこを動くなよ!!」





胸ぐらでも掴まれそうな勢いの先輩に

どうしようと思っていると

信号は青になってしまい

走って近づいて来た先輩は腕を掴み

「責任とれよな」と怒っている…





アキラ「サトルそれよりもカオルの事だろ…」





アキラ先輩とジン先輩が近づいて来て

「カオルのはどうなった?」

とアキラ先輩から真顔で見下ろされ

アレからカオル先輩とは会えてないから

話したくても話せていないんだと説明すると

目を見開いて「はっ?」と驚いていた…






アキラ「カオルの連絡先しらねーのか?」




「・・・・はい…」




アキラ「・・・・今までどーやって会ってんだ?」




「・・・・・・」




ジン「この子ホントにお気に入りなのか…」






ジン先輩の言葉にチクリと痛みを感じながら

顔を俯かせると掴まれている腕をグイッと引っ張られた






サトル「そんな事よりも!

  お前がお勧めで出したパスタ…

  ガッツリ、ニンニク入っててあの日の夜の合コンで

  散々臭い、臭いって揶揄われたんだからな!?」





アキラ「取り敢えずカオルに電話するから上手く話せよ?

  来週アイツら含めて10対10の飲み会すんだから」






腕を掴んでる先輩は隣りでまだ怒っているけど

アキラ先輩は無視をして私の耳に

前のシュウ先輩みたいにスマホを押し当ててきた…




耳に聞こえてきた待ち歌は違う物に変わっていて

さっきジン先輩から言われた言葉がさらに

ズキンと響いた気がした…





カオル「・・・・もしもし…」





繋がった電話に何て言っていいのか分からず黙っていると

目の前のアキラ先輩が「早く言え」と怖い顔で

見下ろしてくるから「あの…」と言うと





カオル「人のペットに何してんの…」





電話の中からとは別に聞こえてくる

カオル先輩の声に首を振って見渡すと

ヒョウ先輩達と一緒にコッチに歩いてきた








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