〈コウ視点〉








地元の友達が数日コッチに遊びに来ていて

見送るついでに駅前の焼き鳥屋で最後に軽く飲んでから

駅に行こうとしていると「コウ先輩!」と声が聞こえ

顔を向けるとアキラ達と…笑実ちゃんが見えた




連れに少し待っててと伝えてから

近づいていくと困り顔の笑実ちゃん達の顔を見て

ツカサ達がふざけて絡んでいるのが分かった






コウ「また揶揄ってんのか?笑」





ツカサ「いや、楽しそうな話が聞こえてきたから

  詳しく聞きたいなって話してただけだぜ?笑」





サユ「私達のバイト先を…まだ勘違いしてるんですよ…」






沙優ちゃんの言葉に(あぁ!)と意味が分かり

二人のバイト先はパスタ屋だぞと言っても

ツカサは酔っているのか信じてなく「ハイハイ」と言って

「ホントはどーなの?」と揶揄い続けている





コウ「アキラ、席に戻るように言えよ」





少し笑いながら眺めているアキラにそう言うと

「いいんじゃね?笑」と笑っているだけで

俺もそろそろ駅に行かなきゃいけないから

スマホを取り出し「カオル達呼ぶか…」と呟くと

ツカサがピクリと固まり「えっ…カオル?」と

顔をクルッとコッチに向けてきた





コウ「どうせシュウの部屋にいるから一緒に来るだろ?」





と言いながらスマホを触り「15分位かな」

と笑実ちゃん達に待ってる様に言うと

ツカサはそそくさと立ち上がって

「冗談だよ!笑」と自分の席へと腰を降ろし

皿にある焼き鳥を急いで食べ出したから

10分以内には帰るだろうなと思い





コウ「カオル達に奢ってもらえよ?」





と笑実ちゃん達に声をかけてから

友達の元へと戻り店を後にした





( ・・・よっぽどな顔してたんだな… )





カオルは機嫌が悪くなると分かりやすいくらいに顔にでる…

普段が穏やかに笑っている分

表情の変化が人一倍激しく見えるし

元々の気性も…まぁ…激しい方だろう…





あの日寝室にふざけて入って行ったツカサは

「カオルめっちゃコエーんだけど」と戻って来て

その後も顔を合わせない様にカオルが戻ってくる前に

寝室に閉じこもっていた





まだ地元にいるカオルを呼びだせるはずもなく

笑実ちゃん達も嘘だと分かっているようで

俺が出て行く時に小さく

「ありがとうございます」と言っていた






( はぁ……世話のやけるチワワ二匹だな…笑 )





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