バイト仲間

〈エミ視点〉









ダイキ「笑実ちゃん!笑 ヤバい割れた!」





「えっ!?またですか??」





割れたグラスを見て(えぇ…)と思いながら

箒とチリ取りを手に持って片付けていると

「笑実ちゃんも2階スタッフになればいいのに」と

割った本人はカウンターに肘をついて見下ろしている…





( ・・・・・・ )





レイ「お前が割ったのに

  なんで笑実ちゃん一人で片付けてんだよ?笑」





ダイキ「箒は一個しかねーんだもん!笑」






レイ先輩とダイキ先輩は最近入ってきた

新しいアルバイトの人達でカオル先輩と同い年で

近くの大学の3年生だった…





ダイキ先輩はヒカル先輩をもっと子供っぽくした感じで…

人懐っこくて、こんな風に「笑実ちゃん!ヤバイ」と言って

失敗した事を押しつけてきて…

とても2歳上には思えない…





( まだ…レイ先輩の方がましだよね… )





レイ先輩はよくタバコ休憩と言って居なくなって

仕事をサボるけど…やる事はやってくれるし…




いつもは下のパスタ屋の方にいるけど

片付けや準備だけこんな風に手伝いに上がる事があり

先輩達とも少しだけ仲良くなった





レイ「笑実ちゃんも甘やかすなよ?」





「甘やかしてるわけじゃなくて…

  ダイキ先輩にさせたら時間かかりますし…」





ダイキ「俺、先輩なんだけど?笑」





「・・・・バイトじゃ私の方が先輩ですよ?笑」






ダイキ先輩達はカオル先輩達や

あの怖いツカサ先輩達とは少し違っていて

同級生の様に話しやすかったから

正直、気疲れする事もなく楽だった






サユ「笑実ちゃん、このグラスセットも上にって…

 ダイキ先輩また笑実ちゃんに片付けさせてるんですか?」





ダイキ「いやいやいや!見てもないのに?笑」





サユ「いつもじゃないですか…」






沙優ちゃんも同じようでダイキ先輩達には

言いたい事も自然に言えていて

よくダイキ先輩を怒っている






破片を拾い集めチラッと時計に目を向け

「ふふ…」と笑いながら3週間とちょっとぶりに会える

カオル先輩の事を考えていた






カオル「笑実ちゃんの学校いつから?」




「9月10日からですけど…」




カオル「じゃー9月9日の夜一緒に散歩しようか?」




「えっ??」




カオル「今日は散歩らしい散歩出来なかったからね?笑」






何着ようかなと朝から緩む頬を何度も

必死にペチペチと軽く叩いて夜を楽しみにしていた…




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